葉 - 漢字私註
説文解字
艸木之葉也。从艸枼聲。
- 一・艸部
説文解字注
艸木之葉也。凡物之薄者、皆得以葉名。从艸枼聲。與涉切。古音在八部。
康煕字典
- 部・劃數
- 艸部・九劃
『唐韻』與涉切『集韻』『正韻』弋涉切、𠀤音枼。『說文』草木之葉。『陸游詩註』吳人直謂桑曰葉。
又世也。『詩・商頌』昔在中葉、有震且業。
又『博雅』聚也。
又書冊。《歐陽修曰》唐人藏書皆作卷軸、後有葉子、似今策子。
又姓。『通志・氏族略』葉氏、舊音攝、後世與木葉同音。
又與䔾通。『儀禮・士冠禮』贊者洗於房中、側酌醴、加柶、覆之面葉。《註》古文葉爲䔾。
又式涉切、音攝。『左傳・及葉註』葉、今南陽葉縣。
又『韻補』叶逆約切、音虐。『易林』桑芳將落、隕其黃葉。
又叶於急切。『易林』同本異葉、樂人上德。東鄰慕義、來興吾國。
又『集韻』徒協切、音牒。與䈎同、書篇名。
『韻會』或作𦯧、非。
- 部・劃數
- 艸部・七劃
『字彙補』同葉。
又書涉切、音攝。『論語』葉公、『石經』作𦯧公。
音訓・用義
- 音
- (1) エフ(漢、呉) 〈『廣韻・入聲・葉・葉』與涉切〉[yè]{jip6}
- (2) セフ(漢、呉) 〈『廣韻・入聲・葉・攝』書涉切〉[shè]{sip3}
- 訓
- (1) は。よ。すゑ。
春秋時代の楚の邑名を音(2)に讀む。
解字
白川
形聲。聲符は枼。枼は新しい枝の出た形、その枝上のものを葉といふ。
『説文解字』に艸木の葉なり
とあり、葉のやうに薄いものは、葉を以て數へる。
金文に百世を「百葉」と記し、『詩・商頌・ 長發』昔在中葉
の《傳》に世なり
とあり、金文に世、枼、葉をすべて世の意に用ゐる。
藤堂
艸と音符枼の會意兼形聲。枼は、三枚の葉が木の上にある姿を描いた象形字。葉は、薄く平らな葉つぱのこと。薄つぺらなの意を含む。
落合
枼亦聲の形聲字。
世は木の葉の象形字。十を三つ竝べた形に見えることから、「三十年」といふ解釋で世代などの意味で使はれるやうになつた。そのため、原義を表すべく意符として木を加へた枼が作られた。西周代には世の略體としての止を用ゐた字體(隸定形は杫あるいは枻)であつたが、東周代には枼の形になつてゐる。
東周代には更に意符として艸を加へた形があり、これが後代に繼承されて葉となつた。
漢字多功能字庫
金文は艸に從ひ枼聲。葉の初文は枼で、本義は木の葉。傳世文獻に多く本義に用ゐ、木の葉を指す。『詩・小雅・苕之華』其葉青青。
『楚辭・九歌・湘夫人』洞庭波兮木葉下。
金文では人名に用ゐる。丞相觸戈丞相觸造、咸工帀(師)葉。
戰國竹簡では本義に用ゐ、木の葉を表す。《睡虎地秦簡・法律答問》第7行桑葉
。
漢帛書での用義は次のとほり。
- 本義に用ゐる。《馬王堆帛書・五十二病方》第166行
堇葉異小、赤莖。
- 地名に用ゐる。《馬王堆帛書・戰國縱橫家書・朱己謂魏王章》第158行
秦有葉、昆陽、兵〈與〉舞陽鄰。
葉、昆陽、舞陽はいづれも地名。昆陽は今の河南省葉縣の南にあり、戰國期の葉の地は昆陽の南にあり、舞陽は當時は魏國に屬し、今の河南省舞陽縣の西にあつた。『左傳・成公十五年』楚公子申遷許于葉。
漢印では葉を姓氏に用ゐる。『風俗通』楚沈尹戍生諸梁、食采於葉、因氏焉。
屬性
- 葉
- U+8449
- JIS: 1-45-53
- 當用漢字・常用漢字
- 𦯧
- U+26BE7
關聯字
- 叶
- 別字。簡体字に用ゐる。