殼 - 漢字私註

説文解字

㱿

从上擊下也。一曰素也。从𡉉聲。苦角切。

殳部

説文解字注

㱿

从上擊下也。從上擊下。正中其物。確然有聲。

从殳𡉉聲。苦角切。三部。凡榖穀轂字以爲聲。大小徐皆云、𡉉、口江切。今『廣韵』四江無。𣪊在三部。則𡉉古音亦在三部可知。音轉讀如韜。土刀切。

一曰素也。素謂物之質如土坏也。今人用腔字。『說文』多作。空與㱿義同。俗作殻。或作㲉。吳會閒音哭。卵外堅也。

康煕字典

部・劃數
殳部・六劃

『唐韻』苦角切『集韻』『韻會』克角切、𠀤音確。音1『說文』从上擊下也。一曰素也。

又『玉篇』物皮空也。『列子・黃帝篇』木葉幹㱿。

又卵甲亦曰㱿。『仲長統・述志詩』飛鳥遺蹟、蟬蛻亡㱿。或作

又『集韻』空谷切、音哭。音2『正韻』乞約切、音却。義𠀤同。

又『集韻』黑角切、與嗀同。音4歐貌。『左傳・哀二十五年』臣有足疾、若見之、君將嗀之。或省作㱿。

又叶丘𠋫切、音𡨥。『張載・七命』析龍眼之房、剖椰子之㱿。芳旨萬選、承意代奏。

『韻會』作𣪊

部・劃數
殳部・七劃

『字彙』㱿字之譌。

部・劃數
殳部・八劃

㱿同。

異體字

『集韻・入聲上・屋第一』所載。

或體。いはゆる新字体。

簡体字。

音訓義

カク(漢) コク(呉)⦅一⦆
コク(推)⦅二⦆
カウ(推)⦅三⦆
コク(推)⦅四⦆
カク(推)⦅五⦆
から⦅一⦆
たたく⦅一⦆
はく⦅四⦆⦅五⦆
官話
⦅一⦆
què⦅一⦆
qiào⦅一⦆
粤語
hok3⦅一⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・入聲㱿』苦角切
集韻・入聲上屋第一覺第四㱿』克角切
『五音集韻・入聲卷第十三・覺第四・溪二䐨』苦角切
聲母
溪(牙音・次清)
等呼
官話
què
qiào
粤語
hok3
日本語音
コク(漢)(呉)
から
たたく
貝や卵の殼。物の堅い外皮。
上から下を擊つ。
『廣韻』㱿: 皮甲。又『說文』曰「从上擊下也。一曰素也。」苦角切。十九。
『集韻』㱿: 克角切。『說文』「从上擊下也。一曰素也。」文三十三。
『康煕字典』上揭

⦅二⦆

反切
集韻・入聲上屋第一』空谷切
『五音集韻・入聲卷第十三・屋第一・溪切一哭』空谷切
聲母
溪(牙音・次清)
等呼
日本語音
コク(推)
⦅一⦆に同じ。
『集韻』𣪊: 皮也。
『康煕字典』上揭

⦅三⦆

反切
集韻・上聲上・講第三・控』克講切
『五音集韻・上聲卷第七・講第三・溪切二控』苦講切
聲母
溪(牙音・次清)
等呼
日本語音
カウ(推)
『集韻』: 堅固也。

⦅四⦆

反切
集韻・入聲上・覺第四・㕰』黒角切
『五音集韻・入聲卷第十三・覺第四・曉二㕰』許角切
聲母
曉(喉音・全清)
等呼
日本語音
コク(推)
はく
嗀に同じ。
『集韻』嗀𣪳㱿: 『說文』「歐皃」、引『春秋傳』「君將嗀之」。或从欠、亦省。
『康煕字典』上揭

⦅五⦆

反切
集韻・入聲下・鐸第十九・𦞦』黒各切
『五音集韻・入聲卷第十五・鐸第二・曉切一𦞦』呵各切
聲母
曉(喉音・全清)
等呼
日本語音
カク(推)
はく
𣪥(嗀)に同じ。
『集韻』𣪥㱿: 嘔吐皃。或省。

解字

白川

𡉉の會意。穀をつて、その穀實を脱する形。脱穀した後の籾殻。

『説文解字』に㱿は上より下を擊つなり、また一に曰く、素なりといふ。

藤堂

㱿

と音符𡉉(堅い殼)の會意兼形聲。

殳と音符壳(貝殼を紐でぶら下げたさま)の會意兼形聲で、堅い殼を、こつこつ叩くこと。

【補註】『学研新漢和大辞典』に𡉉と壳を同字異體とする。

落合

會意。打樂器であるとそれを叩く枹を持つた手のから成り、樂器を演奏する樣子を表してゐる。初文は𬆩の形。

甲骨文では人名に用ゐる。第一期(武丁代)。主に賓組の貞人として記されるが、稀に命辭などに見えることもある。また殷金文の圖象記號にも見える。

金文以降に南の部分が簡略化された。殼は派生した字形。

打樂器の演奏から轉じて叩くこと、更に借りて「から」の意味に用ゐられた。

漢字多功能字庫

殼は𣪊とに從ひ、𣪊省聲。本義は物體の堅い外皮。

屬性

㱿
U+3C7F
𣪎
U+23A8E
U+6BBC
JIS: 1-61-55
𣪊
U+23A8A
U+6BBB
JIS: 1-19-44
常用漢字
U+58F3
JIS: 2-5-22
JIS X 0212: 24-62

關聯字

㱿に從ふ字を漢字私註部別一覽・又部・㱿枝に蒐める。