禸 - 漢字私註
説文解字
獸足蹂地也。象形、九聲。『尔疋』曰、狐貍貛貉醜、其足𨆌、其迹厹。凡厹之屬皆从厹。人九切。
- 十四・禸部
- 蹂
篆文从足柔聲。
- 別條に揭出する。
説文解字注
獸足蹂地也。足著地謂之厹。以蹂釋厹、以小篆釋古文也。先古文後小篆者、上部先二之例也。象形。謂厶。九聲。人九切。三部。『尒疋』曰、小徐作『爾雅』曰、是也。此葢後人所改耳。狐貍貛貉醜。其足𨆌。其迹厹。『釋獸』文。狐貍貛、今作貍狐貒。《郭注》厹、指頭處也。葢渾言之、凡迹皆曰厹。分析言之則各有名。如『爾雅』所說。凡厹之屬皆从厹。
- 蹂
篆文厹。『爾雅音義』云、古文爲蹂。由不知『說文』之例而改之。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『唐韻』『集韻』人九切『韻會』忍九切、𠀤音蹂。『說文』獸足蹂地也。象形。九聲。『爾雅・釋獸』狸狐貒貈醜、其足蹯、其跡禸。《疏》蹯、掌也。此四獸之類、皆有掌蹯、其指頭著地處名禸。
又『廣韻』『集韻』𠀤女九切、音鈕。『爾雅・釋獸』陸德明讀。
『正字通』篆文禸本三畫。舊本沿俗作厶、入五畫、非。
○按【徐鉉・新附篆文】作蹂、【正譌】斥爲俗字、非。又【〔詩〕秦風〔小戎〕】厹矛。陸德明、厹音求。【鄭註】三隅矛也。【字彙】禸讀柔上聲。又云與厹同、亦非。
廣韻
『爾雅』云、貍狐貒貈跡也。
獸跡。又女九切。
音訓・用義
- 音
- ジウ(漢) 〈『廣韻・上聲・有・蹂』人九切〉[róu]{jau5/jau2}
獸の足跡の意とされる。
解字
白川
九と厶(巳)の會意。いづれも虫(補註: 虫か蟲か判然とせず)の形。大小の虫の相交はる形で、禹も立意の同じ字。
『説文解字』に獸足、地を蹂むなり。象形にして、九聲。
とし、また『爾雅・釋獸』の文を引いて、狐狸の類の迹をいふとする。また篆文として蹂を錄するが、それならば九聲とするのと合はない。
また厹と蹂とは必ずしも同義ではなく、厹は「厹矛」のやうにも用ゐる字。
藤堂
象形。左右に開いたのは、後ろの両足で、中の厶印は尾の形、獸の後足が地を踏み躙るさまを描いたもの。
漢字多功能字庫
禸は、萬、禽、禹などの字形の下部に飾筆を加へて發展したもので、獨立した文字ではない(劉釗)。
『説文解字』は禸を獸の足が地面を踏み附ける形に象るとする。また禸で以て、禽、离、禹などの字を束ねる。『説文解字』禸、獸足蹂地也。(後略)
その後も禸の單獨使用は見えないが、それは篆文の蹂が踏み附ける義を表すことに由る。
屬性
- 禸
- U+79B8
- JIS: 1-89-36
- JIS X 0212: 48-82
- 𠘯
- U+2062F
關聯字
- 厹
- 或體。叴の或體と同形。