足 - 漢字私註
説文解字
人之足也。在下。从止、口。凡足之屬皆从足。
- 二・足部
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
- 古文
- 疋
- 𤴕
『唐韻』卽玉切『集韻』『韻會』『正韻』縱玉切、𠀤音哫。『說文』人之足也。在下、从止口。《註》徐鍇曰、口象股脛之形。『釋名』足、續也、言續脛也。『易・說卦』震爲足。《疏》足能動用、故爲足也。『禮・玉藻』足容重。《註》舉欲遲也。
又『廣韻』滿也、止也。『書・仲虺之誥』矧予之德、言足聽聞。『詩・小雅』旣霑旣足。『禮・學記』學然後知不足。『老子・道德經』知足不辱。
又不可曰不我足。『吳語』天若棄吳、必許吾成而不吾足也。
又草名。『爾雅・釋草』虃、百足。《註》音纖。
又姓。『戰國策』足强。《註》韓人。
又『廣韻』子句切『集韻』遵遇切『韻會』子遇切『正韻』將豫切、𠀤音沮。『論語』巧言令色足恭。《疏》足、成也。謂巧言令德以成其恭、取媚于人也。『朱傳』過也。『揚子・法言』足言足容、德之藻矣。
又『管子・五行篇』春辟勿時、苗足本。《註》足、猶擁也。
又『廣韻』添物也。『類篇』益也。『前漢・五行志』不待臣音、復讇而足。
又『韻補』叶子悉切。『易林』欲飛無翼、鼎重折足。失其福利、包羞爲賊。
- 部・劃數
- 疋部(一劃)
音訓
- 音
- (1) ソク(呉) 〈『廣韻・入聲・燭・足』即玉切〉
- (2) スウ(慣) ス(呉) シュ(漢) 〈『廣韻・去聲・遇・緅』子句切〉
- 訓
- (1) あし。たりる(滿足)。たす。
- (2) すぎる(足恭)
解字
白川
象形。膝の關節より足趾に至るまでの形を象る。
『説文解字』に會意とするが、口の部分は膝蓋骨の形。
卜文に「足る」の字には正を用ゐ、帝は雨を正らしめんか
のやうに用ゐる。
金文に「疋く」の疋を、足の形に記してゐる。
足、正、疋の形は甚だ近く、みな止に從ふ。足、疋には古く通用の例がある。
藤堂
象形。膝から足先までを描いたもので、關節がぐつと縮んで彈力を生み出す足。
落合
象形。足首を表す止だけではなく、足全體を象形字にしたもの。
甲骨文での用義は次のとほり。
- あし。脚部全體。《合集》13694
貞、疾足、𦟀。
- 動詞。詳細不明。
- 《合集》4584
庚辰卜、令足于成。
- 《合集》20706
…王貞、勿足。在[⿰女王]、虎獲。
- 《合集》4584
- 人名。第一期(武丁代)。《合集補編》24
貞、叀足來羌、用。
同源の字に疋がある。
漢字多功能字庫
甲骨文は止に從ひ、脛から足底に至るまでの形を象る。本義は脚。疋の分化字(季旭昇)。
西周金文では脛の形を○形に簡略化する。甲骨文の正字は口と止に從ひ、○と止に從ふ足と形が近く、少なからざる學者が正の甲骨文を足と釋してゐる。戰國文字の足は金文を承けて口と止に從ひ、次第に疋と分化した。
甲骨文では本義に用ゐて足部を指し、また人名に用ゐる。
金文では讀んで胥となし、輔助を表す。
戰國文字での用義は次のとほり。
- 本義に用ゐ、足部を指す。《郭店楚簡・五行》簡45
耳、目、鼻、口、手、足六者、心之役也。
- 足りることを指す。《上博竹書一・緇衣》簡11
大臣之不親也、則忠敬不足
は、大臣がもし君主と親しくないとすれば、彼等の忠誠、尊敬は不十分である、の意。
屬性
- 足
- U+8DB3
- JIS: 1-34-13
- 當用漢字・常用漢字
- 𤴕
- U+24D15
関聯字
足に從ふ字
説文解字・足部のほか、次の字など。
足聲の字
- 促
- 浞
- 捉