䃾 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
㠯豚祠司命也。鄭注『周禮』曰、求福曰禱、得求曰祠。此祠與春祭之祠異。『〔禮記〕祭法・注』曰、司命小神、居人之閒、司察小過、作讉吿者、主督察三命。今時民家或春秋祀司命。『風俗通義〔祀典・司命〕』曰「『周禮〔春官〕』司命、文昌也。今民閒祀司命、刻木長尺二寸爲人像、行者擔篋中、居者別作小屋。齊地大尊重之、汝南餘郡亦多有、皆祠以䐗、率以春秋之月。」按䐗同豬。許所謂豚也。應說司命爲文昌。鄭說人閒小神。未知許意何居也。許君𥨫字下說「『周禮』以𥨫祀祝融」。用賈逵句𦬆祀於戸、祝融祀於𥨫、蓐收祀於門、玄冥祀於井、后土祀於中𩅸之說。鄭則云老婦之祭報先炊之義。𣃔非祝融。然則許不必同鄭也。
从示比聲。卑𡳐切。『初學記』引俾利反。十五部。
漢律曰「祠䃾司命」。高帝時、蕭何攈摭秦法、取其宜於時者、作律九章。至孝武時、律令凡三百五十九章。
康煕字典
- 部・劃數
- 示部・四劃
『唐韻』𤰞履切『集韻』『韻會』補履切『正韻』補委切、𠀤音匕〔註1〕。『說文』以豚祠司命。漢津曰「祠䃾司命」。
又『集韻』毗至切、音庳。又必至切、音庇。義𠀤同。
- 註1
- 原版は𠤎に作るが、匕とするのが妥當と按じ、修正した。
- 部・劃數
- 示部・二劃
『集韻』同䃾、省。詳䃾字註。
廣韻
- 卷・韻・小韻
- 上聲・旨・匕
- 反切
- 卑履切〔音1〕
以豚祀司命也。
- 卷・韻・小韻
- 去聲・至・鼻
- 反切
- 毗至切〔音2〕
以豚祠司命也。
- 卷・韻・小韻
- 去聲・至・痹
- 反切
- 必至切〔音3〕
以豚祠司命也。
集韻
- 卷・韻・小韻
- 上聲上・旨第五・匕
- 反切
- 補履切〔音1〕
『說文』以豚祠司命。引《漢律》「祠䃾司命」。
或省。
- 卷・韻・小韻
- 去聲上・至第六・畀
- 反切
- 必至切〔音3〕
祠也。
或作肶。
- 卷・韻・小韻
- 去聲上・至第六・鼻
- 反切
- 毗至切〔音2〕
祠司命謂之䃾。
音訓義
- 音
- ヒ⦅一⦆
- ヒ(推)⦅二⦆
- ヒ(推)⦅三⦆
- 官話
- bǐ⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・上聲・旨・匕』卑履切〔廣韻1〕
- 『集韻・上聲上・旨第五・匕』補履切〔集韻1〕
- 『五音集韻・上聲卷第七・旨第四・幫・四匕』卑履切
- 聲母
- 幫(脣音・全清)
- 官話
- bǐ
- 日本語音
- ヒ
- 義
- 豚を以て司命を祠ること。司命とは大司命、少司命のことを指すらしい。
⦅二⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・至・鼻』毗至切〔廣韻2〕
- 『集韻・去聲上・至第六・鼻』毗至切〔集韻3〕
- 『五音集韻・去聲卷第十・至第五・並・四鼻』毗志切
- 聲母
- 並母(脣音・全濁)
- 日本語音
- ヒ(推)
- 義
- ⦅一⦆に同じ。
⦅三⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・至・痹』必至切〔廣韻3〕
- 『集韻・去聲上・至第六・畀』必至切〔集韻2〕
- 『五音集韻・去聲卷第十・至第五・幫・四庳』必至切
- 聲母
- 幫(脣音・全清)
- 日本語音
- ヒ(推)
- 義
- ⦅一⦆に同じ。
解字
白川
形聲。聲符は比。
『説文解字』に豚を以て司命を祀るなり
とあり、大司命、小司命を祀る祭儀をいふ。
『楚辭・九歌』に兩司命の祭祀歌があり、齊器の《洹子孟姜壺》にも大𤔲(司)命の名が見える。
人々の生活を伺察して天帝に報ずる神としておそれられ、春と秋に腊を以て祀つた。
䃾の名は《漢律》に至つて見える。
屬性
- 䃾
- U+40FE
- 𥘇
- U+25607