壯 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
大也。『方言〔一〕』曰「凡人之大謂之奘、或謂之壯」。尋『說文』之例。當云大士也、故下云从士。此葢淺人𠜂士字。
从士爿聲。側亮切。十部。
康煕字典
- 部・劃數
- 士部・四劃
『廣韻』『集韻』『韻會』側亮切『正韻』側况切、𠀤莊去聲。『說文』大也。又彊也、盛也。『爾雅・釋天』八月爲壯。『易・卦名』震上乾下、大壯。『禮・曲禮』三十曰壯。『月令』仲冬之月、冰始壯。
又『史記・趙后傳』額上有壯髮。『師古曰』俗呼圭頭是也。
又『前漢・食貨志』貝有五種、一曰壯貝。
又傷也。《郭璞曰》淮南呼壯爲傷。
又醫用艾灸、一灼謂之壯。
又側羊切、音莊。亦姓。『晉語』趙𥳑子問賢人、得壯馳兹。
又『伏滔・望濤賦』宏濤於是鬱起、重流於是電驤。起沙渟而迅邁、觸橫門而克壯。
異體字
或體。
簡体字。
いはゆる新字体。
音訓義
- 音
- サウ(漢) シャウ(呉)⦅一⦆
- 訓
- さかん⦅一⦆
- つよい⦅一⦆
- 官話
- zhuàng⦅一⦆
- 粤語
- zong3⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・漾・壯』側亮切
- 『集韻・去聲下・漾第四十一・壯』側亮切
- 『五音集韻・去聲卷第十二・漾第一・照三壯』側亮切
- 聲母
- 照(正齒音・全清)
- 等呼
- 三
- 官話
- zhuàng
- 粤語
- zong3
- 日本語音
- サウ(漢)
- シャウ(呉)
- 訓
- さかん
- つよい
- 義
- 大きい。強い。盛ん。壯健、壯麗、壯烈など。
- 若く働き盛りであること。壯年、壯齡、壯丁など。
解字
白川
形聲。爿聲。
『説文解字』に大なり
とし、『方言・一』に秦晉之間、凡人之大謂之奘、或謂之壯。
(秦晉の間、凡そ人の大なるもの、之れを奘と謂ひ、或いは之れを壯と謂ふ)と見える。
『説文解字』に爿字は見えないが、爿に從ふ字には版築の版木の形と、また牀に從ふ形との二系がある。ただ壯、將の從ふところは、この二系に屬するものとみえず、殷金文に多く見える圖象から出てゐるものであらう。銘文の内容によつて考へると、當該圖象は王子の後、いはば親王家の身分を示す圖象とみられ、王朝の軍政の執行者であつた。壯はそのやうな特定身分の集團を將ゐるものであり、將はその指揮官、壯はその年齢階層的な呼び方であつたと思はれる。
『禮記・曲禮上』人生……三十曰壯
(人生まれて〜三十を壯と曰ふ)とあり、『廣雅・釋詁二』に健なり
といふ。健兒の類であらう。士は鉞頭を儀器とする意で、戰士階級をいふ。
藤堂
士(をとこ)と音符爿の會意兼形聲。爿は寢臺にする長い板を縱に描いた象形字で、長い意を含む。壯は堂々とした背丈の長い男のこと。堂々と體格の伸びた意から、勇ましい意を派生する。
漢語多功能字庫
士と爿に從ひ、爿亦聲。士は武士を表す。本義は強壯。引伸して壯年の意。
壯字は戰國期に初めて見える。士は斧鉞の類の武器に象る。古代の兵士の持つ武器で、故に強壯なる武士を表すために用ゐる。本義は強壯。引伸して壯大。『説文解字』壯、大也。(後略)
《段注》壯、大也。『方言』曰、凡人之大謂之奘、或謂之壯。
金文では壯年を表す。中山王鼎含(今)舍(余)方壯
。
戰國竹簡では本義に用ゐる。《睡虎地秦簡・封診式》簡60男子丁壯
。漢帛書でも本義に用ゐる。《馬王堆・天下至道談》第27行老者復壯
は、老人が壯健さを恢復するの意。
通じて莊となす。『荀子・非十二子』儼然、壯然
楊倞注壯然、不可犯之貌、或為莊。
屬性
- 壯
- U+58EF
- JIS: 1-52-67
- 人名用漢字
- 𡉟
- U+2125F
- 壮
- U+58EE
- JIS: 1-33-52
- 當用漢字・常用漢字
關聯字
壯聲の字
- 莊
- 裝
- 𤞛
- 奘