彡 - 漢字私註
説文解字
毛飾畫文也。象形。凡彡之屬皆从彡。
- 九・彡部
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『唐韻』『正韻』所銜切『集韻』『韻會』師銜切、𠀤音衫。『說文』彡、毛飾畫文也。象形。《徐鉉曰》毛髮繪飾之事。『集韻』䩸飾謂之彡。
又『廣韻』毛長也。
又『廣韻』息廉切『集韻』思廉切、𠀤音暹。義同。
又『集韻』纖琰切、僉上聲。羌姓。『後漢・西羌傳』元帝時、彡姐等七種𡨥隴西。
又魚名。『閩中海錯疏』黃彡、鱗細、黃赤色。
音訓
- 音
- サム(漢) セム(呉) 〈『廣韻・下平聲・銜・衫』所銜切〉[shān]{saam1}
- セム(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・鹽・銛』息廉切〉{cim3}
解字
白川
器物や文樣の彩色、光彩あることを示す記號的な字。象形といふより象意に近い。關係的表示をいふ指示とはまた異なる。
毛には髟、參、形あるものには形、彫、光彩あるものには彩、影、彤、文身には彣、彰、彥、顏、虎文には彪、酒香には𫹉、鼓聲には彭といふ。
『説文解字』に毛飾の畫文なり
といふが、ひとり毛飾に限るものではない。
藤堂
指示。飾りや模樣を表す記號として、彩、影、形などの字に用ゐられる。
落合
光や音などを表す指示記號。例へば、彭では太鼓の音を表し、晹の初文の易では日光を表す。その他、液體や模樣、長い毛の意味などで使はれることもある。
甲骨文には單獨では祭祀名として用ゐる。先王に對して行はれる祭祀。彡日ともいふ。夜間に行はれる場合は彡夕と記す。
- 《合補》6963・後半記時
癸酉卜貞、王旬亡禍。在八月、甲戌、彡日祖甲。
- 《天理大學附屬天理參考館 甲骨文字》707
甲子卜貞、王賓武祖乙彡夕、亡尤。
『書』に『高宗肜日』篇があるが、「肜日」は殷代の資料に見えず、恐らく彡日、彡夕を混ぜ合はせた造語で、周代に創作されたものであらう。古く月と夕は同形。肜の字音は祭祀の汎稱である侑からか。
屬性
- 彡
- U+5F61
- JIS: 1-55-36
関聯字
彡に從ふ字
『説文解字・彡部』のほか、以下の字など。
彡聲の字
- 衫
- 䑣