右 - 漢字私註
説文解字
口部右字條
- 右あるいは𠮢に作る。
助也。从口从又。
- 二・口部
又部右字條
- 重出。
手口相助也。从又从口。
- 註に
臣鉉等曰、今俗别作佑。
といふ。 - 三・又部
康煕字典
- 部・劃數
- 口部二劃
『唐韻』于救切『集韻』『韻會』尤救切『正韻』爰救切、𠀤音峟。與祐佑通。『說文』助也。『爾雅・釋詁』右、導也、勴也、亮也。『書・益稷』予欲左右有民。《註》左音佐。『太甲』惟尹躬、克左右、厥辟宅師。『詩・大雅』保右命爾、燮伐大商。
又左之對也。『書・禹貢』夾右碣石入于河。『禮・少儀』贊幣自左、詔辭自右。《註》立者尊右。
又上也。『前漢・公孫弘傳』守成上文、遭遇右武。《註》師古曰、右亦上也。又『循吏傳』文翁以爲右職。《註》師古曰、右職、縣中高職也。
又强也。『後漢・明帝紀』無令豪右、得固其利。
又官名。『周禮・夏官』司右、掌羣右之政令。《註》羣右、戎右、齊右、道右也。
又姓。『正字通』漢右公弼、宋右嘉祥、明右巖。又『廣韻』漢複姓、五氏。左傳𡭢樂大心爲右師、其後因官爲氏、漢有中郞右師譚。晉賈華爲右行、因官爲氏、漢有御史中丞右行綽。何氏姓苑有右閭、右扈、右南等氏。
又山名、獸名。『山海經』長右之山有獸、狀如禺而四耳、其名長右。
又與侑通。『周禮・春官・大祝』以享右祭祀。《註》右讀爲侑。勸也。
又『廣韻』『集韻』『韻會』『正韻』𠀤云久切、音有。義同。○按『集韻』有上去二音、義實相通。『正韻』於上聲訓左右手、去聲訓右助、二音分二義、非。
又叶以周切、音由。『詩・周頌』我將我享、維羊維牛、維天其右之。○按『唐韻』正音以。今從朱註。
又叶羽軌切、音以。『詩・衞風』泉源在左、淇水在右。女子有行、遠父母兄弟。弟叶滿彼反。『秦風』溯徊從之、道阻且右。溯游從之、宛在水中沚。『宋玉・笛賦』隆崛萬丈、盤石雙起。丹水涌其左、醴泉流其右。○按『唐韻』正云、右古音以歷引經傳子集證之、是直當讀作以、非止叶音矣。
又叶于記切、音異。『詩・小雅』我有嘉賔、中心喜之。鐘鼓旣設、一朝右之。喜叶去聲。
又叶演女切、音與。『陸雲・陸丞相誄』乃幹中軍、入作內輔。公侯陟降、在帝左右。
『說文』本作𠮢、从口从又。『徐鍇曰』言不足以左復手助之。
- 部・劃數
- 口部二劃
『說文』右本字。
音訓
- 音
- イウ(漢) ウ(呉) 〈『廣韻・去聲・宥・宥』于救切〉
- 訓
- みぎ。たすける。たふとぶ。すすめる。
解字
初文は又。口を加へて、左右の右、佑助、祐助の意。更に佑、祐を分化。
白川
右に祝禱の器である口を持ち、左に呪具である工を持つて、神を尋ね、神に接する。それで左右を重ねると尋となり、神に接するとき、颯颯の舞を舞ふ。
左右の初文は工、口には從はず、卜辭では神祐を受けることを㞢又を受けられんか
といふ。「㞢又」は「有祐」の意。又は右、佑、祐の初文で、又をその諸義に用ゐた。
左右は神に仕へる方法であつたが、のち輔佐の意となり、金文には《𤠁鐘》先王其れ嚴として帝の左右に在り
、《叔夷鎛》余一人を左右せよ
のやうに用ゐる。
藤堂
口と音符又(右手)の會意兼形聲。又は右手を描いた象形字。右は、庇ふやうにして物を持つ手、つまり右手のこと。その手で口を庇ふことを示す。
落合
甲骨文は又につくる。用義は又字條參照。
金文で區別のため手に持つ器物の形の口を加へ、右の形となつた。
漢字多功能字庫
右の初文は又につくり、右手の形を象る。金文は口を加へ右となつた。
金文では方位詞に用ゐ、左と相對す。杜虎符甲兵之符、右在王、左在杜。
左を佐と解くやうに、右もまた輔助の佑と解ける。成語に所謂「左輔右弼」である。師詢簋尃(輔)右(佑)先王
。
屬性
- 右
- U+53F3
- JIS: 1-17-6
- 當用漢字・常用漢字
- 𠮢
- U+20BA2