𡈼 - 漢字私註
説文解字
善也。从人、士。士、事也。一曰象物出地挺生也。凡𡈼之屬皆从𡈼。
- 八・𡈼部
説文解字注
善也。从人士。會意。他鼎切。十一部。士、逗。事也。說从士之意。人各事其事、是善也。一曰象物出地挺生也。𡈼挺曡韵。此說象形。與前說別。上象挺出形。下當是土字也。古土與士不甚可分如此。凡𡈼之屬皆从𡈼。
康煕字典
- 部・劃數
- 土部(一劃)
『唐韻』他鼎切『集韻』丑郢切、𠀤音逞。『說文』善也。从人士。士、事也。一曰象物出地挺生。《徐鉉曰》人在土上𡉂然而立也。凡聽廷望之類皆从此。
又『類篇』展禮切、音徵。澄也。
又『集韻』唐丁切、音廷莖也。一曰屋梁。
又『集韻』徵古作𡈼。註詳彳部十二畫。
『正譌』𡈼然出也。从人𡈼然立土上、會意。○按『說文』別立𡈼部、『字彙』『正字通』从其後說、象物出地挺生。及徐氏與六書正譌俱收入土部、因之。
音訓
- 音
- テイ(漢) チャウ(呉) 〈『廣韻・上聲・迥・珽』他鼎切〉[tǐng]{ting5}
- 訓
- よい
解字
白川
象形。ものを高く捧げて立つ人の形を象る。呈は、祝禱の器を高く揭げて、神に呈示する意の字。これを捧げて挺立することを𡈼といふ。
『説文解字』の釋は、士人は他よりも挺立して、善を爲すものの意とするやうであるが、卜文の字形は土上に人の挺立する形。
『説文解字』にまた一に曰く物の地より出でて挺生するに象るなり
とし、草木の類のやうに解するが、廷、庭の初文は、土主に對して儀禮を行ふ形に從ふ。
呈、聖、望は、みな挺立して祝禱し、神意を仰ぐ形。聞の初文も𡈼上に耳をしるす形であつた。
藤堂
指示。地上に直立した人の眞つ直ぐ伸びた足の部分を一印で示したもの。
落合
會意。人と土の略體に從ひ、人が土盛りに乘つた樣子を表してゐる。
甲骨文では地名またはその長を表す。第三期(康丁武乙代)には領主が犬𡈼と呼ばれてゐる。《合補》7368貞、翌己卯、𡈼至。
後代には轉じて「眞つ直ぐ立つ」や「ただしい」の意で用ゐられた。
漢字多功能字庫
人と土に從ひ、甲骨文は土の上に人の立つ形。音は挺で、挺の古文に當たる。
一説に、挺立し企求する形を象るといふ。また一説に人の地上に直立するを端正と形容し、故に善なりと訓ず。
甲骨文では人名や祭名に用ゐる。
金文では字の要素として用ゐられるのみで、構形は甲骨文と同じ。
本義は土の上に立つ人。
屬性
- 𡈼
- U+2123C
関聯字
𡈼に從ふ字
漢字私註部別一覽・人部・𡈼枝に蒐める。
其の他
- 壬
- 別字。