呈 - 漢字私註
説文解字
平也。从口𡈼聲。
- 二・口部
康煕字典
- 部・劃數
- 口部四劃
『唐韻』直貞切『集韻』馳貞切『韻會』馳成切、𠀤音程。『說文』平也。从口𡈼聲。
又『玉篇』解也。
又『廣韻』示也、見也。『正韻』露也。
又姓。『正字通』古今印藪有呈紳。
又與程通。『史記・秦始皇紀』上至以衡石量書、日夜有呈、不中呈不得休息。
又『廣韻』『集韻』𠀤直正切、音鄭。『廣韻』自媒衒。『唐書・韋澳傳』恐無呈身御史。
又『集韻』丑郢切、音騁。與逞同、通也。一曰快也。
音訓
- 音
- テイ(漢) 〈『廣韻・下平聲・清・呈』直貞切〉[chéng]{cing4}
- 訓
- すすめる(進呈)。しめす。あらはす(呈示)。あらはれる(露呈)。
解字
白川
口と𡈼の會意。口は祝禱を收める器。これを高く揭げて挺立し、神に呈して祈ることをいふ。
説文解字に平らかなり
、『廣雅・釋詁一』に解くなり
とするが、その用義例はなく、呈上、露呈などの意に用ゐる。
呈は側身形で、その正面形は𦰩。𦰩は饑饉のときに、巫が祝禱の器を捧げて、焚殺される形。
藤堂
口と音符𡈼の會意兼形聲。𡈼は人が直立した脛のところを一印で示した指示字。呈は、口で眞つ直ぐに述べる、隱さずずばりと表現すること。
漢字多功能字庫
甲骨文は囗と士に從ふ。士は斧鉞の形を象る。構形本義不明。甲骨文では地名に用ゐる。小篆に至り𡈼に從ふ形に變はる。𡈼は挺の初文で、呈字の聲符。
【補註】 落合は上述の甲骨文を亡失字とする。呈とは異なり、狂の異體字とする説もあるが確證はないといふ。
古璽「呈志」の呈は逞の通假字で、讀んで「逞志」となし、志を達成し快感に至ることを表す。
楚簡では盈の通假字となす。《郭店楚簡・老子甲》簡10保此道者、不欲常呈(盈)
。
屬性
- 呈
- U+5448
- JIS: 1-36-72
- 當用漢字・常用漢字
- 呈󠄁
- U+5448 U+E0101
- CID+13942
- 呈󠄄
- U+5448 U+E0104
- MJ008134
關聯字
呈に從ふ字
漢字私註部別一覽・口部・呈枝に蒐める。
其の他
- 㞷
- 㞷の古文を呈の形に作るといふ。嚴密には。本文書で扱ふ呈字は。