妖 - 漢字私註
説文解字
巧也。一曰女子笑皃。『詩』曰、桃之𡝩𡝩。从女芺聲。
- 十二・女部
康煕字典
- 部・劃數
- 女部四劃
『唐韻』於嬌切『集韻』於喬切『正韻』伊堯切、𠀤音夭。豔也、媚也。一曰異也、孽也。『左傳・莊十四年』人棄常則妖興。『前漢・五行志』殺不以時、有草妖。又妄聞之氣、發于音聲、有鼓妖。雲風𠀤起而杳㝠爲夜妖、言之不文、是謂不艾、時則有詩妖。
又叶央居切、音於。『孔臧・鴞賦』觀之歡然、覽考經書、在德爲祥、棄常爲妖。
又叶側呂切、音阻。『前漢・三王敘傳』怙寵矜功、僭欲失所。私心旣霿、牛禍告妖。
『說文』𡝩、巧也。一曰女子笑貌。从女芺聲。
- 部・劃數
- 女部八劃
音訓
- 反切
- 『廣韻・下平聲・宵・妖』於喬切
- 官話
- yāo
- 粤語
- jiu1
- jiu2
- 日本語音
- エウ(漢、呉)
- 訓
- なまめかしい: 妖艷
- あやしい
- わざわひ
- もののけ: 妖怪
解字
白川
『説文解字』に巧なり。一に曰く、女子の笑ふ皃なり。
とし、『詩』に曰く、桃の𡝩𡝩たる
と『詩・周南・桃夭』の句を引く。今本は「夭夭」に作る。「巧なり」も「巧美なり」の誤りであらう。
芺は手を擧げて舞ふ巫女の姿。その姿態を夭といふ。巫が神がかりの狀態にあつて神託を述べることを若といひ、これを禍事とすることもあつて、『説文解字』䄏字條に地、物に反するを䄏と爲すなり。
とあり、神怪のことをいふ。
字はまた訞と通用する。
人の妖艷なるものも、衒媚のおそれがあるといふので、また妖といふ。
藤堂
女と音符夭の會意兼形聲。夭は、細く身體を曲げた姿。妖は艷めかしく身體をくねらせた女の姿を示す。
漢字多功能字庫
女に從ひ芺聲。本義は艷麗、嫵媚。『文選・宋玉・神女賦』近之既妖、遠之有望。
李善注近看既美、復宜遠望。
また常に反すること、怪異なる事物を表す。『左傳・莊公十四年』人棄常則妖興、故有妖。
また淫邪、不正を表す。『後漢書・梁冀傳』梁冀妻孫壽、色美而善為妖態、作愁眉。
また邪惡の人を指す。『荀子・大略』口言善、身行惡、國妖也。
屬性
- 妖
- U+5996
- JIS: 1-45-37
- 常用漢字(平成22年追加)
- 𡝩
- U+21769