化 - 漢字私註

説文解字

化

教行也。从𠤎、𠤎亦聲。

𠤎部

康煕字典

部・劃數
匕部二劃
古文
𠤎
𠯒
𠏁

『唐韻』『正韻』呼霸切『集韻』『韻會』火跨切、𠀤花去聲。『說文』化、敎行也。『增韻』凡以道業誨人謂之敎。躬行于上、風動于下、謂之化。『老子・道德經』我無爲而民自化。

又以德化民曰化。『禮・樂記』化民成俗。

又『韻會』天地隂陽運行、自有而無、自無而有、萬物生息則爲化。

又泛言攺易、亦曰變化。『易・繫辭』擬議以成其變化。

又貨賄貿易曰化。『書・益稷』懋遷有無化居。

又革物曰化。『周禮・春官・大宗伯』合天地之化。《註》能生非類曰化。《疏》鳩化爲鷹之類。皆身在而心化。若䑕化爲鴽、雀化爲蛤蜃之等、皆據身亦化、故云能生非類。

又『正韻』告誥諭使人回心曰化。『書・大誥』肆予大化、誘我友邦君。

又『公羊傳・桓六年』化我也。《註》行過無禮謂之化、齊人語也。《疏》哀六年傳云、𨻰乞曰、常之母有魚菽之祭、願諸大夫之化我也。亦是行過無禮之事。

又州名。『韻會』漢屬合浦郡、宋攺化州。

又『正韻』呼瓜切、音花。『後漢・馮衍傳』與時變化。《章懷太子註》音花。

又『韻補』叶胡隈切、音回。『三略』變動無常、因敵變化。不爲事先、動而輒隨。『𨻰琳・大荒賦』越洪寧之蕩蕩兮、追玄漠之造化。跨三五其無偶兮、邈卓立而獨奇。

又叶呼戈切、音訶。『離騷』初旣與余成言兮、後悔遁而有他。余旣不難夫離別兮、傷靈脩之數化。

又叶許旣切、希去聲。『後漢・傅幹皇后箴』在昔明后、日新其化。匪惟訓外、亦訓于內。

又叶呼臥切、呼去聲。『白虎通』火之爲言化也。陽氣用事、萬物變化也。『釋名』火、化也、消化物也。『漢書・敘傳』偪上幷下、荒殖其貨。侯服玉食、敗俗傷化。

又『總要』化音吪、差錯也、謬言也。从人匕會意。小篆與匕混、故加言作。『史記・天官書』其人逢俉化言。

部・劃數
人部十三劃

『字彙補』古文字。註詳七部二畫。

部・劃數
口部四劃

『六書畧』古文字。註詳人部二畫。『揚子・太玄經』䦯上九、隂陽啓𠯒、其變赤白。《註》𠯒音化。

音訓義

クヮ(漢) クヱ(呉)⦅一⦆
かはる⦅一⦆
ばける⦅一⦆
官話
huà⦅一⦆
huā⦅二⦆
粤語
faa3⦅一⦆
faa1⦅二⦆

⦅一⦆

反切
廣韻・去聲』呼霸切
集韻・去聲下禡第四十』火跨切
『五音集韻・去聲卷第十一・禡第十七・曉三・化』呼覇切
聲母
曉(喉音・全清)
等呼
官話
huà
粤語
faa3
日本語音
クヮ(漢)
クヱ(呉)
かはる
ばける

⦅二⦆

官話
huā
粤語
faa1
日本語音
花に同じ。

解字

白川

𠤎の會意。

『說文』に教化の意とするが、字は死人の倒錯してゐる形。𠤎がその初文。

生死によつて、ものの化することをいふ。

藤堂

金文の偏は倒れた人、旁は坐つた人。

篆文の偏は正常に立つた人、旁は妙なポーズに體位を變へた人。

いづれも兩者を合はせて、姿を變へることを示した會意字。

落合

會意。とその上下逆向きの𠤎を組み合はせた形。甲骨文には字源を明らかにできる記述がなく、「人が形を變へる」「生死の變化」「死人の倒錯」など諸説ある。甲骨文における𠤎の用法を見ると、人が梯子から墜落する樣子を表した墜の初文(⿰阜𠤎)に用ゐられてゐる。從つて物理的に人が向きを變へることが原義であり、そこから派生義で變化を表すやうになつたと考へられる。

甲骨文での用義は次のとほり。

  1. 人名。第一期(武丁代)。插⿱𠔼止化と同一人物かも知れない。《合集》6068・驗辭七日己丑、微友化呼、告曰、𢀛方征于我奠豐。七月。
  2. 動詞。缺損片にしか見えず、詳細不明。《合集》10275王…不化…征。
插⿱𠔼止化
人名。插の首長で⿱𠔼止化が名であらう。

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甲骨文、金文は二に從ひ、二人が反對を向き相依る形で、疑ふらくは眞つ直ぐと反對の人の形で以て顚倒變化の意と解し、本義は變化。『說文』の釋するところは字形の本義に非ず。𠤎はあるいは化の省略形。

甲骨文では疑ふらくは方國名に用ゐる。《合集》10275正乎(呼)化。

金文での用義は次のとほり。

戰國竹簡では化を讀んでとなし、禍患を指す。《郭店簡・老子甲》簡6化(禍)莫大乎不智(知)足。の「化」を、《馬王堆・老子乙本》及び王弼本『老子』では「禍」に作る。

屬性

U+5316
JIS: 1-18-29
當用漢字・常用漢字
𠏁
U+203C1
𠯒
U+20BD2

關聯字

𠤎や化に從ふ字を漢字私註部別一覽・人部・𠤎枝に蒐める。