光 - 漢字私註
説文解字
明也。从火在人上、光明意也。
- 十・火部
古文。
古文。
説文解字注
朙也。从火在儿上。光朙意也。
古文。
古文。
康煕字典
- 部・劃數
- 儿部四劃
- 古文
- 炗
- 𤎫
- 𠈑
- 𤉭
『唐韻』古黃切『集韻』『韻會』『正韻』姑黃切、𠀤廣平聲。『說文』从火在人上。本作灮、今作光。《徐曰》光明意也。『易・需卦』有孚光亨。《程傳》有孚則能光明而亨通。『正韻』輝光、明耀華彩也。
又『集韻』太歲在辛曰重光。
又諡法、能紹前業曰光。
又姓。『廣韻』田光後、秦末子孫避地、以光爲氏。晉有光逸。
又『集韻』古曠切、廣去聲。飾色也。
或作䊯。
- 部・劃數
- 火部四劃
『玉篇』古文灮字。註詳儿部四畫。
- 部・劃數
- 火部・二劃
『說文』光本字。明也。从火、在人上、灮明意也。『波羅密多經』譬如影灮、雖可顯說、無實法、可令執取而有所顯照。又『無上內祕藏經』譬夜室輝灮、隨孔而照、灮雖萬殊、本之者一。
- 部・劃數
- 火部十二劃
『說文』古文光字。註詳儿部四畫。
- 部・劃數
- 人部六劃
『字彙補』古文光字。註詳儿部四畫。
- 部・劃數
- 火部八劃
『集韻』光、古作𤉭。註詳儿部四畫。
音訓
- 音
- クヮウ(漢、呉) 〈『廣韻・下平聲・唐・光』古黃切〉[guāng]{gwong1}
- 訓
- ひかり。ひかる。かがやく。おほきなり。ほまれ(光榮)。
解字
白川
火と儿(人)の會意。人の頭上に火光をしるし、火を掌る人を示す。見、望、先、聖、𦰩、また聞の初文など、すべてその機能を上に揭げるもので、同じ形式の造字法。
殷金文に光の下部を女の形に作るものがある。
『説文解字』に明なり
とあり、光明の意とする。
金文の《令彝》に用て父丁(父の廟號)を光かさん
、《毛公鼎》文武の耿光
、《晉姜鼎》敏しみて厥の光剌に揚へん
のやうに、光榮、光烈の意に用ゐてゐる。
藤堂
會意。人が頭上に火を載せた姿を示す。四方に發散するの意を含む。
落合
會意。甲骨文は、坐つた人である卩が火を揭げて光を照らしてゐる樣。異體字に𡈼を用ゐたものや上部(火)を山に誤つたものがある。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 地名またはその長。領主は婦光や侯光とも稱される。《甲骨拼合集》102
光不其獲羌。
- 祭祀名。《殷墟小屯中村南甲骨》319
插上甲、[⿰彳⿸㫃丘]大乙、光大丁、爭大甲、𢧀祖乙。
- おほいに。副詞。《合集》10197
乙未卜、今日王狩、光禽。
- 占卜用語。掃光とも言ふ。詳細不明。《合集》94
王尋占光卜曰、不吉、有祟、茲…呼來。
字形は篆文で下部が儿に變化した。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、火と卩に從ふ。卩は跪坐する人の形に象る。光は火が人の上に在るさまに象り、光を取り照らすの意(許慎、李孝定、何琳儀)。金文はあるいは卩ではなく女に從ふ。卩も女も人の形として通用する。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 人名に用ゐる。《林》2.21.5
光來
。 - 方國名に用ゐる。今の河南光縣(原文ママ。該當箇所不明。)に在る。
金文での用義は次のとほり。
- 光彩(ここでは光榮の意か)、寵榮(君の寵を得て榮えること)を表す。
- 中山王鼎
恐隕社稷之光
。 - 禹鼎
敢對揚武公不(丕)顯耿光。
- 晉姜鼎
每(敏)揚厥光剌(烈)。
- 中山王鼎
- 動詞に用ゐ、增光(名譽を高める、榮光を增す)、光寵(光榮、榮耀、恩典、寵幸)を表す。令方彝
用光父丁
。 - 讀んで貺となし、賞賜を表す。宰甫卣
王光宰甫貝五朋。
王輝は光聲に從ふ字と兄聲に從ふ字が相通ずることを指摘する。『史記・司馬相如列傳』聽倘侊而無聞
。『漢書・司馬相如傳』は恍を怳に作る。 - 人名に用ゐる。攻敔王光劍
攻敔王光自乍(作)用鐱(劍)
。「攻敔王光」は春秋晩期の呉の國君、呉王闔廬のこと。
屬性
- 光
- U+5149
- JIS: 1-24-87
- 當用漢字・常用漢字
- 炗
- U+7097
- JIS: 2-79-63
- 灮
- U+706E
- JIS: 2-79-57
- 𤎫
- U+243AB
- 𠈑
- U+20211
- 𤉭
- U+2426D
關聯字
光聲の字
- 桄
- 晄
- 侊
- 駫
- 洸