頁 - 漢字私註
説文解字
頭也。从𦣻从儿。古文䭫首如此。凡頁之屬皆从頁。𦣻者、䭫首字也。胡結切。
- 九・頁部
説文解字注
頭也。从𦣻从儿。古文䭫首如此。按此十二字葢後人所改竄。非許氏原文。原文當云、𩑋、「古文䭬𩠐字如此。从𦣻从儿。」共十一字。䭬字見下文《𩠐部》。䭬者、小篆依常例。當於䭬下出𩑋。解云、古文䭬。而以如是立文。則从𩑋之九十三文無所附。故別出𩑋爲部首。正如儿卽古文奇字人。亣卽籒文大。而皆必別出之爲部首。云儿古文奇字人也。云亣籒文大改古文也。皆不必再釋儿字亣字𩑋字之義。後人乃於儿下贅之云、仁人也。𩑋下贅之云、頭也。而倒亂其文。皆由不知許氏立言之變例故爾。《𩑋部》不廁《𩠐部》後而列於前者、蒙八篇从儿之字爲次也。小篆𦣻、古文作𩠐。小篆䭬、古文作𩑋。今隷則𦣻用古文。䭬用稽字。而𦣻𩑋䭬皆不行矣。从𦣻儿爲𩑋首字。如从气儿爲欠、从目儿爲見。會意。字本與䭬同音。康禮切。十五部。今音轉爲胡結切。凡𩑋之屬皆从𩑋。大徐本此下有、𦣻者䭬𩠐字也。小徐本𦣻作𩑋。此古注謂、𩑋卽䭬字也。要非許語。今𠜂。
康煕字典
- 部・劃數
- 部首
『集韻』奚結切『韻會』『正韻』胡結切、𠀤音纈。『說文』頭也。从𦣻从儿。
又『六書故』頁卽首字、不當音纈。【說文】分部分切、非。
異體字
或體。
簡体字。
音訓
- 音
- (1) ケツ(漢) 〈『廣韻・入聲・屑・纈』胡結切〉[xié]{kit3}
- (2) エフ [yè]{jip6}
- 訓
- (1) かしら。かうべ。
- (2) ページ
『説文解字注』䈎字條の註に小兒所書寫。每一笘謂之一䈎。今書一紙謂之一頁。或作葉。其實當作此䈎。
といふ。
解字
白川
象形。祭事のとき、頭上に呪飾をつけた人の側身形。たとへば喪禮のとき衰絰などを加へた形。儀禮を行ふときの禮容を示す。
『説文解字』に頭なり。𦣻に從ひ儿(人)に從ふ。
とし、古文䭫首此の如し
といふ。『説文解字』に頁は頭なり
𦣻は頭なり
首は古文𦣻なり
と三字を同訓の字とする。
金文に「𩒨首」を「頁首」に作ることがある。旨は詣の初文。祝禱に對して神靈の降下して詣る意。それを拜するを𩒨といひ、稽首の稽の初文。頁に從ふ字はおほむね祭祀や儀禮のことに關するものと見てよい。
藤堂
象形。人の頭を大きく描き、その下に小さく兩足を添へた形を描いたもの。頭を示す意符として用ゐられる。
落合
甲骨文では、配下の人物を歡待することを表す。叹頁とも言ふ。《合集》22215壬寅卜貞、四子叹頁。
別字?
首と大に從ふ字形は用法が異なり、頁とは別字であるかもしれない。
甲骨文では第一期(武丁代)に人名に用ゐる。《合集》21972令頁…諾。
漢字多功能字庫
甲骨文、金文は、人の頭と身に象り、身の小さいことにより頭部を際立たせる。本義は頭部。頁と首は、人身を描くか否かで分別し、兩字は異體字。甲骨文の頁字は頭の上にあるいは頭髮があり、あるいは頭髮を省く。西周金文の卯𣪕蓋の頁の人首の上には頭髮がある。戰國文字の首の上の髮は多く誤つて止の形となり、小篆は首の上の頭髮を省く。
甲骨文では本義に用ゐる。
- 《合集》15684「「豕頁」は豬の頭部の意。
- 《合集》22215
五子叩頁
は、五人の男兒が叩頭するの意。
頁の金文は卯𣪕蓋に見える。卯拜手頁手。
その他の金文には多く「拜手䭫首」に作り、傳世文獻には『尚書・周書・召誥』のやうに「拜手稽首」に作る。「拜手稽首」は古代の跪拜禮。「稽首」を「頁手」と書くのは僅かにこの一例のみ見え、省文かもしれない。季旭昇は、頁はあるいは錯字とする。
頁と首はもと一字。音「首」。その後、頁は最も遲くて東漢(後漢)の頃、「胡結切」に讀むやうに變はつた。紙の量詞となすのは俗字で、本來は葉に作る。
屬性
- 頁
- U+9801
- JIS: 1-42-39
- 人名用漢字
- 𩑋
- U+2944B
- 页
- U+9875
關聯字
頁に從ふ字を漢字私註部別一覽・首部・頁枝に蒐める。