晴 - 漢字私註
説文解字
雨而夜除星見也。从夕生聲。
- 註に
臣鉉等曰、今俗別晴。非是。
といふ。 - 七・夕部
説文解字注
雨而夜除星見也。『衞風』〔註1〕靈雨旣零、命彼倌人。星言夙駕。『韓詩』曰、星者、精也。按精者今晴字。『史記〔天官書〕』天精而見景星『漢書〔天文志〕』作天暒。孟康曰、暒者、精明也。『漢書』亦作精。韋昭曰、精者、淸郎也。郭樸注『三倉』云、暒者、雨止無云也。古夝暒精皆今之晴。而『詩』作星。『韓非子〔說林下〕』曰、荆伐陳、吳救之、軍閒三十里、雨十日、夜星。夜星卽夜夝也。雨夜止星見謂之夝。夝星曡韵。引伸爲晝晴之偁。故其字又作暒。○按『漢書』亦作精。故孟康曰、精、暒明也。今本係後人所改。『史』『漢』之天精卽晶之叚借。从夕生聲。疾盈切。十一部。
- 註1: 『詩・鄘風・定之方中』。
康煕字典
- 部・劃數
- 日部八劃
『唐韻』疾盈切『集韻』『韻會』慈盈切、𠀤音情。夝或作晴暒。『玉篇』雨止也、晴明也、無雲也。『史記・天官書』天晴而見景星。
又『韻補』叶慈良切。『張籍・祭韓愈詩』公因同歸還、居處各一方。中秋十六夜、魄圓天差晴。
又『說文』夝、雨而夜除星見也。《註》今俗作晴、非。
- 部・劃數
- 夕部五劃
『說文』同晴。雨而夜除星見也。《徐鉉曰》今俗作晴、非。『總要』作[⿰夕星]。从夕星、會意。『正字通』按晴者、霽之通稱、晝夜皆然。諸家泥从夕从星、專訓夜霽、非。或作暒。『前漢・天文志』天暒而景星見。
又『集韻』甾莖切、音爭。義同。
- 部・劃數
- 日部・九劃
『集韻』慈盈切、音情。晴或作暒。詳晴字註。
又新佞切、音醒。義同。
音訓
- 音
- セイ(漢) 〈『廣韻・下平聲・清・情』疾盈切〉[qíng]{cing4/ceng4}
- 訓
- はれ。はれる。はらす。
解字
白川
夝
形聲。聲符は生。
『説文解字』に雨降りて夜除れ、星見はるるなり。
とあり、夜空が晴れること。
『詩・鄘風・定之方中』に星言夙駕
(星みて言に夙に駕す)とある星は夝、夜晴れる意。『韓非子・說林下』雨十日、夜星。
(雨十日、夜星れたり)も夝の意。
字はまた晴に作る。
晴
形聲。聲符は靑。『説文解字』に夝を正字とするが、晝には晴といふ。靑に靑天の意がある。
藤堂
晴
日と音符靑の會意兼形聲。靑は、生(清らかな芽生え)と音符井(清らかな井戸水)の會意兼形聲字で、澄み切つた意を含む。晴は、澄み切つた日のこと。
夝
夕と音符生(清々しい、澄み切る)の會意兼形聲。元は、夜間星が出て晴れる意。
落合
篆文に初出の夝は、夕を意符、生を聲符とする。夕は月の象形で、「月が見えてゐる晴れた夜」を表してゐる。
楷書では、日を意符、星を聲符とする暒が作られた。日は日中の晴天、星は夜間の晴天を表し、星亦聲。
更にその異體として、聲符を靑に替へた晴も作られた。靑が「靑い空」を表し、靑亦聲。
聲符の星、靑は、いづれも生聲の形聲字で、字音分類の變化はない。
「晴れ」を表す字として、晴よりも先に啓があつた。晴と啓を同源語とする説もあるが、字形、上古音の兩面から見るに疑はしい。
漢字多功能字庫
『集韻・清韻』夝、或作晴。
屬性
- 晴
- U+6674
- JIS: 1-32-18
- 當用漢字・常用漢字
- 晴
- U+FA12
- 晴︀
- U+6674 U+FE00
- CJK COMPATIBILITY IDEOGRAPH-FA12
- 晴󠄀
- U+6674 U+E0100
- CID+8481
- 晴󠄃
- U+6674 U+E0103
- MJ030199
- 夝
- U+591D
- JIS X 0212: 24-71
- 暒
- U+6692
- JIS: 2-14-12