揭 - 漢字私註

説文解字

揭
高舉也。从聲。
十二手部

説文解字注

揭
高舉也。見於『詩』者、『〔邶風〕匏有苦葉・傳』曰、揭、褰裳也。『〔衛風〕碩人・傳』曰、揭揭、長也。『〔大雅〕蕩・傳』曰、揭、見根皃。从手曷聲。去例切、又基竭切。十五部。

康煕字典

部・劃數
手部・九劃

『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤居謁切、音訐。『說文』高舉也。或作𢶆

又『唐韻』基竭切『集韻』『韻會』丘傑切、𠀤音朅。義同。或作担。又作拮。

又與偈通。車疾貌。『王應麟・詩攷』韓詩、匪車揭兮、見【漢書・王吉傳】。

又『唐韻』渠列切『集韻』『韻會』『正韻』巨列切、𠀤音傑。與𢷒同。或作搩。『增韻』舉而豎之也。『前漢・𨻰項傳・贊』揭竿爲旗。『張衡・西京賦』豫章珍館、揭焉中峙。

又擔也、負也。『戰國策』馮煖于是乗其車、揭其劒。『史記・東方朔傳』數賜縑帛、擔揭而去。

又姓。『前漢・功臣表』安道侯揭陽定。

又『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤其謁切、音碣。亦擔也。

又長也。『詩・衞風』葭菼揭揭。

又『集韻』『韻會』𠀤語訐切、音钀。義同。

又『唐韻』居列切、音孑。揭起也。『詩・小雅』維北有斗、西柄之揭。又『大雅』顛沛之揭。《傳》揭、見根貌。《疏》樹倒故根見。『戰國策』唇揭者、其齒寒。《註》揭、猶反也。

又啓事。今日揭帖。

又『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤去例切、音憩。亦高舉也。

又褰衣涉水、由膝以下也。『詩・邶風』淺則揭。『爾雅・釋水』揭者、揭衣也。『司馬相如・上林賦』涉冰揭河。

又『集韻』其例切、音偈。揭陽、縣名。『前漢・地理志』南海郡揭陽縣。

又丘言切。與攑同。亦舉也。

部・劃數
手部・十三劃

『唐韻』『集韻』『韻會』𠀤居謁切。同。見揭字註。

部・劃數
手部・十四劃

『集韻』『韻會』𠀤巨列切、音傑。擔也。或作、又作搩。

又『集韻』其謁切、音碣。與揭同。

異體字

いはゆる新字体。

音訓・用義

(1-1) ケイ(慣)
(1-2) ケツ(漢) ケチ(呉) 〈『廣韻・入聲・薛・傑』渠列切/『同・朅』丘謁切/『同・孑』居列切〉[jié]{kit3}
(2) ケイ(漢) 〈『廣韻・去聲・祭・憩』去例切〉[qì]{gai6/hei3}
(1) かかげる。あげる。そばだつ。になふ。
(2) かかげる

音(2)は衣の裾などを高く持ち上げる、からげる意に用ゐる。『詩・邶風・匏有苦葉深則厲、淺則揭。

解字

白川

形聲。聲。

『説文解字』に高く擧ぐるなりといふ。

曷はとに從ひ、匄は屍骨、曰は祝禱の器。呪靈の強い屍骨を用ゐて祈ることをいひ、喝、遏、謁、などはみなその呪儀に關する字。

周禮・秋官・蜡氏』に若有死於道路者、則令埋而置楬焉(若し道路に死する者有るときは、則ち埋めて楬を置かしむ)とあり、曷とはそのやうな道殣(行き倒れ)を用ゐる呪儀で、楬がその表識。楬より高擧の義となるが、もとは高札の意。

藤堂

と音符の會意兼形聲。は、と ㇗印と印から成り、人を行かせないやうに押し止めるさま。曷は、それに(いふ)を加へた字で、ハッと叫んで人を押し止めること。喝の原字。揭は、行く手に高く標識を揭げて、人を押し止めること。

漢字多功能字庫

に從ひ聲。本義は高く擧げること。『説文解字』高舉也。『詩・小雅・大東』維北有斗、西柄之揭。

また擔ふこと、負ふことを表す。『莊子・達生』今汝飾知以驚愚、脩身以明汙、昭昭乎若揭日月而行也。成玄英疏猶如擔揭日月而行於世也。

持、拿(いづれも持つ意)を表す。『後漢書・馮衍傳下』衍少事名賢、經歷顯位、懷金垂紫、揭節奉使、不求苟得。李賢注揭、持也。

顯露(現れる、現す)、揭露(暴き出す)を表す。『詩・大雅・蕩』人亦有言、顛沛之揭。毛傳揭、見根貌。

公布、發表を指す。宋・陸游『老學庵筆記』卷五吏人遂書榜揭于市。

掀起(めくる、開ける、取る)、拉開(引き離す)を指す。前蜀・韋莊〈江城子〉緩揭繡衾抽皓腕、移鳳枕、枕潘郎。

名詞に用ゐ、標幟を表す。『文選・張衡・東京賦』大室作鎮、揭以熊耳。薛綜注揭、猶表也。

屬性

U+63ED
JIS: 1-84-83
人名用漢字
𢶆
U+22D86
𢷒
U+22DD2
U+63B2
JIS: 1-23-39
當用漢字・常用漢字