醬 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
醢也。从肉酉。从肉者、醢無不用肉也。
酒㠯龢酱也。此說从酉之故。
爿聲。卽亮切。十部。今俗作醬。
古文𤖕如之。
籒文。作之陳之皆必以器、故从皿。
康煕字典
- 部・劃數
- 酉部・十一劃
- 古文
- 𨟻
『廣韻』『正韻』子亮切『韻會』卽亮切、𠀤音將。『說文』醢也。『韻會』醢、肉醬也。又豉醬。又菜茹亦謂之醬。『正字通』麥麪米豆皆可罨黃、加鹽曝之成醬。『禮・曲禮』醯醬處內。『周禮・天官・膳夫』醬用百有二十罋。《註》醬、謂醯醢也。『史記・西南夷傳』南越食蒙蜀枸醬。《註》劉德云:枸樹如桑、其椹長二三寸、味酢、取其實以爲醬。『枚乗・七發』熊蹯之臑、芍藥之醬。
『說文』本作𤖕。
- 部・劃數
- 酉部・四劃
『集韻』醬古作𨟻。註詳十畫。
- 部・劃數
- 酉部・八劃
『唐韻』『集韻』𠀤卽亮切、音將。『說文』鹽也。从肉从酉、酒以和𨡓也。爿聲。『玉篇』同醬。
- 部・劃數
- 酉部・九劃
『玉篇』籀文醬字。
- 部・劃數
- 爿部・七劃
『集韻』醬古作𨟻。註詳酉部十一畫。
集韻
- 卷・韻・小韻
- 去聲下・漾第四十一・醬
- 反切
- 即亮切〔音1〕
即亮切。
『說文』鹽也。从肉从酉、酒以和醤也。
古省。籕从皿。
文四。
異體字
或體。
『五音集韻・去聲卷第十二・漾第一・精四醬』に見え、醯也。
とある。
簡体字。
音訓義
- 音
- シャウ(漢) サウ(呉)⦅一⦆
- 訓
- ししびしほ⦅一⦆
- ひしほ⦅一⦆
- 官話
- jiàng⦅一⦆
- 粤語
- zoeng3⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・漾・醬』子亮切
- 『集韻・去聲下・漾第四十一・醬』即亮切〔集韻1〕
- 『五音集韻・去聲卷第十二・漾第一・精四醬』子亮切
- 聲母
- 精(齒頭音・全清)
- 等呼
- 四
- 官話
- jiàng
- 粤語
- zoeng3
- 日本語音
- シャウ(漢)
- サウ(呉)
- 訓
- ししびしほ
- ひしほ
- 義
- 肉を鹽、麴、酒で漬けたもの。
- 豆、麥などを醱酵させたもの。味噌の類。
- 肉のペースト。
- ペースト狀の食べ物。
- 味噌や醬油で漬け込んだり煮込んだりすること。
解字
各所で公開されてゐる古い字形の資料を見るに、戰國金文、戰國楚簡では𨟻に作り、酉に從ひ爿聲。漢語多功能字庫は肉を省いた形とするがその是非は判斷不能。睡虎地秦簡では肉を加へて𤖕に作るが、時代的なものか地域的なものか不詳。
現用の醬は將聲の形聲字と解するのが妥當か。
白川
形聲。聲符は將。
『説文解字』に醢なり
とあり、肉を細く切り、麴と鹽とをまぜ、酒を加へて密藏したもの。
醬油は大豆と大麥とを鹽につけて搾つたもの。
藤堂
酉と音符將(細長い)の會意兼形聲。細長く垂れる、どろどろとした汁。
漢語多功能字庫
金文は酉に從ひ爿聲。爿は牀の初文で、聲符。酉は酒器に象る。𨟻は𨡓の簡略形で、本來は更に肉に從ひ、本義は肉醬。
秦簡、小篆は𨡓に作る。『説文解字』𨡓、盬也。(後略)
金文では借用して將となし、次のとほり用ゐる。
- 將要(まもなく、すぐに)を表す。中山王方壺
𨟻(將)與吾君並立於世
。 - 將軍を表す。九年將軍戈
𨟻(將)軍
。
戰國竹簡での用義は次のとほり。
- 麥、麵、豆などを醱酵させて作つた調味料の醬汁を表す。また鹽や酢に漬けて作つた肉醬を指すこともある。《睡虎地秦簡・秦律十八種》簡181
𨡓(醬)半升、采(菜)羮
。 - 將要を表す。《清華簡二・繫年》簡25
我𨟻(將)求救於蔡
。 - 假借して莊となし、莊重を表す。《郭店簡.尊德義》簡13
教以樂、則民淑德清𨟻(莊)
、呂溫〈故博陵崔公行狀〉公清莊而和、博厚而敏
(季旭昇)。
屬性
- 醬
- U+91AC
- JIS: 1-92-89
- JIS X 0212: 66-83
- 人名用漢字
- 𨟻
- U+287FB
- 𨡓
- U+28853
- 𨡰
- U+28870
- 𤖙
- U+24599
- 𤖕
- U+24595
- 酱
- U+9171