彥 - 漢字私註
説文解字
説文解字注
美士有彣。彣作文、非是。今正。人所言也。言彥疊韵。『〔爾雅〕釋訓』曰「美士爲彥」。郭曰、人所言詠也。『鄭風・傳』曰、彥、士之美稱、人所言、故曰彥。有文、故从彣。『大學』彥或作盤。古文假借字。
从彣厂聲。厂、山石之厓巖、人可居者也、呼旱切。彥、魚變切。十四部。
康煕字典
- 部・劃數
- 彡部・六劃
『唐韻』魚變切『集韻』魚戰切『韻會』疑戰切『正韻』倪甸切、𠀤音諺。〔音1〕『說文』美士有文、人所言也。『爾雅・釋訓』美士爲彥。《註》人所彥詠。《疏》國有美士、爲人所言道。『書・太甲』旁求俊彥。『詩・鄭風』邦之彥兮。
又叶倪堅切、諺平聲。『陸雲・陸公誄』和音嗣世、不替碩彥。明鑒在下。隆命上玄。
異體字
『廣韻』『集韻』所載。
音訓義
- 音
- ゲン(漢)(呉)⦅一⦆
- ハン(推)⦅二⦆
- 訓
- ひこ⦅一⦆
- 官話
- yàn⦅一⦆
- 粤語
- jin6⦅一⦆
⦅一⦆
- 反切
- 『廣韻・去聲・線・彦』魚變切
- 『集韻・去聲下・綫第三十三・彦』魚戰切
- 『五音集韻・去聲卷第十一・線第十一・疑三彦』魚變切
- 聲母
- 疑(牙音・次濁)
- 開合
- 開
- 等呼
- (重紐)三
- 推定中古音
- ŋɪɛn
- 官話
- yàn
- 粤語
- jin6
- 日本語音
- ゲン(漢)(呉)
- 訓
- ひこ
- 義
- 美男子。
- 男子の美稱。
- 才德のある人。彥士。
- 釋
- 『廣韻』
彦: 美士。魚變切。六。
- 『集韻』
彦: 魚戰切。『說文』美士有文、人所言也。文十二。
- 『康煕字典』上揭。
⦅二⦆
- 反切
- 『集韻・平二・桓・槃』蒲官切
- 『五音集韻・中平聲卷第四・桓第九・並一槃』薄官切
- 聲母
- 並(重唇音・全濁)
- 等呼
- 一
- 日本語音
- ハン(推)
- 釋
- 『集韻』
彦: 大也、常也。
解字
白川
文と厂と彡の會意。文は文身の象、厂は額、彡は文彩を示す。額に美しい文身を加へることが、一定の年齡に達した男子の通過儀禮として行はれ、その人を彥といふ。本邦の「ひこ」に當たる。
『說文』に美士、彣(文)有り、人の言ふ所なり
とあり、彥、言の疊韻を以て説くが、言とは關係のない字。
藤堂
文(模樣)と彡(模樣)と音符厂の會意兼形聲。厂は、┌型にくつきりとけじめのついたさま。彥は、くつきりと浮き出た顏の男。
漢語多功能字庫
金文に文と厂と弓に從ふ字形があり、彥字と釋する説がある(參: 《字源》)。『說文』は彣に從ひ厂聲とする。
才德有る士を表す。『爾雅・釋訓』美士為彥。
『說文』彥、美士有文、人所言也。
- 『尚書・太甲上』
先王昧爽丕顯、坐以待旦、旁求俊彥。
- 『詩・鄭風・羔裘』
彼其之子、邦之彥兮。
毛傳彥、士之美稱。
また才德の有ることを表す。
- 『三國志・魏書・徐胡二王傳』
可謂國之良臣、時之彥士矣。
- 唐・劉禹錫〈魏生兵要述〉
余為書殿學士四年、所與居皆鴻生彥士。
屬性
- 彥
- U+5F65
- 彦
- U+5F66
- JIS: 1-41-7
- 人名用漢字