別 - 漢字私註
説文解字
八部𠔁字條
分也。从重八。八、別也。亦聲。『孝經說』曰、故上下有別。
- 二・八部
冎部𠛰字條
分解也。从冎从刀。
- 四・冎部
康煕字典
- 部・劃數
- 刀部・五劃
- 古文
- 𠔁
『唐韻』方別切『集韻』『韻會』筆別切『正韻』必列切、𠀤鞭入聲。『說文』分解也。『玉篇』分別也。『增韻』辨也。『禮・曲禮』日月以告君、以厚其別也。『爾雅・釋山』小山別大山、鮮。《疏》謂小山與大山不相連屬者名鮮。『淮南子・齊俗訓』宰庖之切割分別也。『晉・仲長敖覈性賦』同稟氣質、無有區別。
又傅別、謂券書也。『周禮・天官・小宰』八成、聽稱責以傳別。《註》鄭曰、爲大手書於一札、中字別之。
又『唐韻』『集韻』『韻會』皮列切『正韻』避列切、𠀤便入聲。『玉篇』離也。『增韻』解也、訣也。『江淹・別賦』黯然銷䰟者、惟別而已矣。『宋・謝惠連・夜集歎乖詩』詩人詠踟躕、搔首歌離別。『梁荀濟贈隂梁州詩』已作金蘭契、何言雲雨別。
- 部・劃數
- 刀部六劃
『說文』別本字。𠛰、分解也。隷作別。
- 部・劃數
- 八部・二劃
『玉篇』古文別字。註見刀部五畫。
廣韻
- 四聲・韻・小韻
- 入聲・薛・别
- 反切
- 皮列切
異也、離也、解也。『說文』作𠛰。
又姓。何氏『姓苑』云、揚州人。
皮列切。又彼列切。二。
- 四聲・韻・小韻
- 入聲・薛・䇷
- 反切
- 方别切
分别。
音訓
- 音
- ベツ(慣) ヘツ(漢) 〈『廣韻・入聲・薛・别』皮列切〉〈『廣韻・入聲・薛・䇷』方别切〉[bié]{bit6}
- 訓
- わかる。わかつ。わかれる。わきまへる(辨別)。はなれる。ことなる。ほか。
解字
白川
牛角を刀で解くことを解といひ、骨間をわかつことを別といふ。
『説文解字』に分解するなり
とあり、分離解體することを原義とする。
『書・康誥』に別く先哲王に求め聞く
の別は、辨、偏と通用の義がある。
藤堂
冎と刀の會意。冎は嵌り込んだ上下の關節骨。別は關節を刀でばらばらにするさまを示す。
落合
會意。甲骨文は骨の初文の冎の異體と刀に從ひ、骨を分解するさま。「わかつ」から轉じて「わかれる」の意にもなつてゐる。
甲骨文に冎と斧の象形の斤に從ふ異體もある。
甲骨文での用義は次のとほり。
- 祭祀名。《合集》17230
貞、王往走災、至于賓、別。
- 昔別
- 人名。災別ともいふ。
字形は隸書で冎の部分が變形した。
漢字多功能字庫
甲骨文は刀と骨の初文(補註: 冎)に從ひ、刀を以て骨肉を分解する意であらう(陳煒湛、季旭昇)。本義は、分解、分割。古書では刀で分割するといふ本義に用ゐる。『淮南子・齊俗訓』宰庖之切割分別也。
分解から、分別、離別の義を派生する。
甲骨文では地名に用ゐる。《合集》17230正至于賓別
戰國竹簡での用義は次のとほり。
- 分別、區別を表す。《睡虎地秦簡.秦律十八種》簡34
計禾、別黃、白、青。
は、禾穀を數へ、黃、白、青の三種の穀物を區別する、の意。 - 離別を表す。《睡虎地秦簡・法律答問》簡116
子小未可別
は、子供の年幼く、離れ離れになることはできないの意。
漢代簡帛でも區別を表す。
- 《馬王堆・老子乙本卷前古佚書》第18行
貴賤有別
。 - 《武威漢簡・服傳》簡46
尊別於卑者
。
別(骨肉を分解する)には料理の技巧のほか、醫術にも運用が見える。『三國演義』第75回には華佗が關雲長の骨を削り毒を療する記述がある。佗乃下刀、割開皮肉、直至於骨、骨上已青、佗用刀刮骨、悉悉有聲、帳上帳下見着、皆掩面失色。公飲酒食肉、談笑弈棋、全無痛苦之色。
屬性
- 別
- U+5225
- JIS: 1-42-44
- 當用漢字・常用漢字
- 𠛰
- U+206F0
- 𠔁
- U+20501
- 别
- U+522B