危 - 漢字私註
説文解字
在高而懼也。从厃、自卪止之。凡危之屬皆从危。魚爲切。
- 九・危部
説文解字注
在高而懼也。引伸爲凡可懼之偁。『〔禮〕喪大記・注』危、棟上也。从厃、人在厓上。自卪止之。「人在厓上」四字依『韵會』補。魚爲切。十六部。凡危之屬皆从危。
康煕字典
- 部・劃數
- 卩部・四劃
- 古文
- 𡵁
『唐韻』魚爲切『集韻』『韻會』虞爲切、𠀤僞平聲。『說文』在高而懼也。从厃、人在厓上、自卪止之也。《徐曰》孝經、高而不危、制節謹度。故从卪。『玉篇』不安貌。『廣韻』疾也。隤也、不正也。
又『禮・儒行』有比黨而危之者。《註》危、欲毁害之也。
又屋棟上也。『禮・喪大記』升自東榮、中屋履危。《疏》踐履屋棟高危處。
又『韻會』宿名。三星。『左傳・襄二十八年註』玄武之宿、虛危之星。
又『書・禹貢』三危旣宅。『韻會』三峗、山名。通作危。
- 部・劃數
- 山部三劃
『集韻』危古作𡵁。註詳卩部四畫。
音訓・用義
- 音
- キ(慣) グヰ(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・支・危』魚爲切〉[wēi]{ngai4}
- 訓
- あやふい。あぶない。あやぶむ。あやふく。けはしい。はげしくする。たかくする。
危宿は二十八宿の一。「うまやめ」と訓ず。
解字
白川
形聲。聲符は厃。厃は危の初文。厃の下に、跪く人の形を加へたもの。
『説文解字』に高きに在りて懼るるなり。厃に從ひ、自ら卪(節)して之れを止む。
とするが、厓の上下に跪く人の形を添へて危ふい意を示す。
危冠は冠を危くすること、危坐は端坐すること、すべて端嚴の狀態についていふ。
藤堂
厂(崖)の上下に人のしやがんださまの會意。危ない崖に差し掛かつて、人がしやがみ込むことを表す。
落合
漢字多功能字庫
戰國文字は人と山に從ひ、人が山の頂上に立つさまに象り、危險極まりない意と解く(李家浩、周波)。本義は高い所に在りて危險であること。後にひろく危險を指す。《段注》引伸爲凡可懼之偁。
《郭店簡・六德》簡17の危字の從ふ人の形は、縱劃の上に一橫劃を加へて飾りとし、誤つて千となる。戰國文字はあるいは隸定して仚となす。仚は厃の異體で、厃は人と厂に從ひ、厂は崖の形に象る。厃は崖の緣に人の立つさまに象り、後に厃に卩を加へて意符とし、いまの危字となる。
古璽には讀みて尉となし、職官名。《古璽彙編》121武尚都危(尉)
。
戰國竹簡では讀みて衞となし、保衞を表す。《清華簡二・繫年》簡15世乍(作)周危(衞)
は、世々周朝の護衞として、の意。
屬性
- 危
- U+5371
- JIS: 1-20-77
- 當用漢字・常用漢字
- 𡵁
- U+21D41
關聯字
危に從ふ字を漢字私註部別一覽・厃部・危枝に蒐める。