效 - 漢字私註

説文解字

效

象也。从聲。胡教切。

攴部

説文解字注

效

象也。象當作像。《人部》曰、像、似也。『毛詩』君子是則是傚。又民胥傚矣。皆效法字之或體。『左傳』引『詩』民胥效矣、是也。彼行之而此效之。故俗云報效、云效力、云效驗。『廣韵』云、俗字作効。今俗分別效力作効、效法效驗作效。尤爲鄙俚。效法之字亦作。『〔易〕𣪠辭』爻法之謂坤、是。亦作殽。『〔禮記〕禮運』殽以降命、是。亦作詨。『儀禮・注』引『詩』君子是則是詨、是。皆假借也。

从攴交聲。胡敎切。二部。

康煕字典

部・劃數
攴部六劃

『廣韻』胡敎切『集韻』後敎切『韻會』後學切、𠀤音校。『說文』象也。『玉篇』法效也。『廣韻』學也。『增韻』放也。『易・繫辭』效法之謂坤。『左傳・莊二十一年』鄭伯效尤。

又『禮・曲禮』效馬效羊者、右牽之。《註》效、猶呈也。

又『左傳・文八年』效節於府人而出。《註》效、猶致也。

又『左傳・昭二十六年』宣王有志、而後效官。《註》效、授也。

又『廣韻』效驗也。『前漢・藝文志』儒者、己試之效。

又『廣韻』效力也。『前漢・韓信傳』願效愚忠。

又『類篇』一曰功也。『前漢・尹賞傳』追思其功效。

又『增韻』勉也。『韻會』一曰具也。『九經字樣』作効者訛。『韻會』效、亦作傚。禮韻續降效力之效與倣傚之傚不同、許雙押。

又『集韻』吉了切、音皎。『揚子・方言』效烓、明也。

又下巧切、音佼。事露也。

『說文』从攴作

部・劃數
力部・六劃

『唐韻』胡敎切『集韻』後敎切『韻會』後學切『正韻』胡孝切、𠀤音校。『玉篇』俗字。『集韻』象也、功也。『韻會』效驗也。『前漢・蘇武傳』殺身自効。

『正韻』古惟从攵、無从力者。後人傳寫、承訛旣久、相承用之。

音訓

反切
廣韻・去聲』胡敎切
官話
xiào
粤語
haau6
日本語音
カウ(漢)
いたす。ならふ。しるし。きく。

解字

白川

字の初形はの會意。攴は打つこと。矢の曲直を正す意の字。

『説文解字』に象(像)るなりとし、聲とするが、もと交に從ふ字ではない。

兩手で矢の曲直を正すを寅といひ、打つて正すを效といふ。それで法則に從ひならふ意となり、《毛公鼎》になんぢの友正(友官)を善效せよのやうに用ゐる。

またその倣效(補註: 眞似る、手本にする)の結果を效果といふ。

藤堂

効はと音符の會意兼形聲。交は、人が足を交叉させた姿。平行線を辿ればどこまでも結果が出ない。交叉して締め上げた所に結果が出る。効は、實際の結果を出すやう努力すること。

效は、(動詞の記號)と音符交の會意兼形聲で、二つのものを交叉させて照らし合はすこと。

兩字はもとは別字。

落合

初文はに從ひ、恐らく矢を加工する樣子を表した字。

甲骨文では、地名またはその長を表す。第一期(武丁代)には領主が子效とも稱されてゐる。また殷金文の圖象記號にも見える。《甲骨綴合集》362貞、叀子效令、從 ⿰氵屮插。

金文で矢が聲符のに替はつた。西周代に繼承された矢字の形は甲骨文の效で用ゐられた形とは異なり、字形の近い交に誤解されたのであらう。

字義も後代には轉じて「ならふ」や「きく」などの意味で使はれた。

漢字多功能字庫

甲骨文、金文は、に從ひ聲。攴は棒や鞭を執つて打擊することを表す。字は、棍棒や鞭を用ゐて、人に見習ふやう教へることと解ける。交は兩腿を交叉した人に象り、聲符。本義は見習ふこと。しかし、甲骨文、金文の部分字の交にはに近いものがあり、矢の製作では(先人を)見習ふ必要があると解く學者があり、白川靜は矢の形を矯正するに象るとする。

效の本義は疑ふらくは效法(學ぶ、見習ふ)。後に元の意義の效にが加へられて傚となり、效字には「效果」、「效忠」など、多くのその他の用法が出來て、いづれも傚とは書かない。、學、效の音義は近く、學習、教導はいづれも眞似ることに關聯してゐる。學習とは師長を見習ひ、虛心に教導を受けるものである。教育の始まりは子供に學習模倣させることである。

甲骨文、金文での用義は次のとほり。

屬性

U+6548
JIS: 1-58-35
U+52B9
JIS: 1-24-90
當用漢字・常用漢字