萑 - 漢字私註

説文解字

艸部萑字條

萑

艸多皃。从艸隹聲。職追切。

一・艸部

説文解字注

萑

艸多皃。此從鍇本廁此。鉉本以萑廁蓷篆後。非也。詳蓷下。

从艸隹聲。職追切。十五部。籒文作𦻧。

艸部𦻃字條

𦼉

薍也。从艸雈聲。胡官切。

一・艸部

説文解字注

𦼉

薍也。薍之已秀者也。薍已見前。此以篆籒分別異處。

从艸雈聲。胡官切。十四部。籒文作𧂴。今人多作萑者、葢其始假𨾦屬之雈爲之。後又誤爲艸多皃之萑。

康煕字典

部・劃數
艸部・八劃

『唐韻』職追切、音鵻。『說文』草多貌。

又草名。茺蔚也。『爾雅・釋草』萑蓷。《註》茺蔚、又名益母。

又『集韻』枲未漚者。

又『韻會』胡官切、音桓。『說文』薍也。『詩・豳風』八月萑葦。《疏》初生者爲菼、長大爲薍、成則爲萑。『周禮・春官』其柏席用萑黼純。《註》萑、如葦而紉。

又『前漢・息夫躬傳』涕泣流兮萑蘭。《註》涕泣闌干也。

又鳥名、鴟屬。〔註1〕字从𦫳。詳隹部。〔註2〕

註1
雈の字義。
註2
隹部に該當箇所は見えず。

部・劃數
艸部・十二劃

『集韻』同萑。

廣韻

卷・韻・小韻
上平聲・脂・錐
反切
職追切

萑蓷茺蔚、又名益母。

卷・韻・小韻
上平聲・桓・桓
反切
胡官切

𦼉葦。『易』亦作萑。俗作雚。雚本自音灌。

異體字

或體。《段注》曰く萑の籀文。

或體。《段注》曰く𦻃の籀文。

音訓義

音
スイ(漢)(呉)⦅一⦆
クヮン(漢) グヮン(呉)⦅二⦆
訓
めはじき⦅一⦆
をぎ⦅二⦆
官話
zhuī⦅一⦆
huán⦅二⦆
粤語
zeoi1⦅一⦆
wun4 jyun4⦅二⦆

⦅一⦆

反切
『廣韻・上平聲・脂・錐』職追切
官話
粤語
zeoi1
日本語音
スイ(漢)(呉)
訓
めはじき
義
草多きさま。
草の名。めはじき。

⦅二⦆

反切
『廣韻・上平聲・桓・桓』胡官切
官話
huán
粤語
wun4
jyun4: 習讀
日本語音
クヮン(漢)
グヮン(呉)
訓
をぎ

補註

『説文解字』は萑と𦻃を別々に立項し、萑の音義を上記⦅一⦆、𦻃の音義を⦅二⦆とする。

『廣韻』は兩字を別々に立項し、音義の辨別を『説文解字』と同樣とするが、𦼉字條に『易』亦作萑。といふ。

『康煕字典』は𦻃を萑の異體とする。

解字

白川

もと雈に從ひ雈聲。また隹に從ふ字もあり、隹聲。いま多く雈聲によつて用ゐる。

【補註】『字通』萑字條に萑𦻃兩字の篆文を示す。

『説文解字』に艸の多き皃なりとあり、雈とは全く異なる字。

藤堂

艸と音符隹(ずつしり重ねる)の會意兼形聲。

落合

甲骨文に艸と鳥の象形の隹に從ふ字があるが亡失字。草の象形である屮の數を變へた異體字もある。草叢に鳥がゐる樣子と思はれるが、甲骨文では地名の用例しかなく、字源は確實ではない。

甲骨文では、地名またはその長を表す。《合集》9758庚子卜、萑受年。

上述の甲骨文は一旦亡失し、篆文で草が多いことを意味して隹を聲符とする同形の形聲字が作られた。

漢字多功能字庫

甲骨文の構形初義は不明。

甲骨文には幾つかの形があるが、いづれも隹に從ふ。『説文解字』は隹を尾の短い鳥の總稱とする。甲骨文の隹を除く部分は、一屮、二屮(艸)、三屮(芔)、四屮(茻)、あるいは屮ではなく林や二林に從ふ。甲骨文では偏旁の艸、林、茻、森は通用する(徐中舒)。

甲骨文では地名に用ゐる(參: 郭沫若、李孝定)。金文では疑ふらくは名前に用ゐる(見: 戰國・平都矛)。

屬性

萑
U+8411
JIS: 2-86-34
JIS X 0212: 56-41
𦻃
U+26EC3
𦼉
U+26F09
𦻧
U+26EE7
𧂴
U+270B4

關聯字

雈
萑とは別の字。