詒 - 漢字私註

説文解字

詒
相欺詒也。一曰遺也。从聲。
言部

説文解字注

詒
相欺詒也。〔書〕金縢』公乃爲詩以詒王、名之曰【鴟鴞】。鄭曰、詒、說也。周公恐其屬黨將死。恐其㓝濫。又破其家。而不敢正言。故作【鴟鴞】之詩以詒王。按『尚書』字本作詒。《鄭注》說當讀輸芮切。《正義》改爲怡悅字。誤矣。周公善辭以誘王。故史臣目之曰詒。此鄭意也。『穀梁傳〔定元年〕』曰、夫請者、非可詒託而往也。必親之者也。《注》詒託、猶假。『列子〔黃帝〕』狎侮欺詒。『郭注方言』云、汝南人呼欺亦曰詒。音殆。『史』『漢』多假紿爲之。一曰遺也。『釋言』『毛傳』皆曰、詒、遺也。俗多假貽爲之。从言台聲。與之切。按今音前義徒亥切。一部。

康煕字典

部・劃數
言部・五劃

『唐韻』與之切『集韻』『韻會』盈之切、𠀤音怡。『說文』相欺詒也。一曰遺也。『詩・邶風』自詒伊阻。《傳》遺也。『左傳・昭六年』叔向使詒子產書。《註》遺也。『廣韻』贈言也。

又『正韻』誒詒、疑疾。『莊子・達生篇』誒詒爲病數日。《註》懈倦貌。一曰失魂魄貌。

又通作貽。『書・五子之歌』貽厥子孫。《傳》貽、遺也。『詩・大雅』詒厥孫謀。《箋》詒、猶傳也。『正義』詒訓遺、卽流傳之義。

又通作飴。『詩・周頌』貽我來牟。『釋文』貽、又作詒。『前漢・劉向傳』引『詩』作飴。《師古註》飴、遺也。與貽同。

又通作嗣。『詩・鄭風』子寧不嗣音。《傳》習也。《箋》續也。韓詩作詒。詒、寄也。曾不寄問也。

又『集韻』『韻會』𠀤羊吏切、怡去聲。『類篇』亦遺也。『韻會』貺也。『左傳・文十六年』年自七十以上、無不饋詒也。《疏》饋、詒皆與人物之名、與貽通、有平、去二音。

又『集韻』堂來切、音臺。懈倦貌。引莊子誒詒。李軌讀。

又『集韻』他代切、音態。義同。又欺也。

又『廣韻』徒亥切『集韻』『韻會』『正韻』蕩亥切、𠀤臺上聲。『類篇』江南呼欺曰詒。『增韻』欺詒、誑詐也。『列子・黃帝篇』狎侮欺詒。『徐幹・考僞篇』骨肉相詒、朋友相詐。

又『集韻』通作紿。『穀梁傳・僖元年』惡公子之紿。《註》欺紿也。『史記・項羽紀』項王迷失道、田父紿之曰、左、乃陷大澤中。《師古註》紿、誑也。

『類篇』或作𧦫

部・劃數
言部・五劃

『類篇』同。亦與貽通。

音訓

(1) イ(漢、呉) 〈『廣韻・上平聲・之・飴』與之切〉[yí]{ji4}
(2) タイ(漢) 〈『廣韻・上聲・海・駘』徒亥切〉[dài]{toi5}
(1) おくる。のこす。つたへる。
(2) あざむく

解字

白川

形聲。聲符は

『説文解字』に相ひ欺詒するなりと欺く意とするのは、『爾雅・釋詁』欺くなりの訓による。また一に曰く、おくるなりとあり、『詩・大雅・文王有聲詒厥孫謀(厥の孫に謀をおくる)、『書・金縢』(上揭)公乃ち詩をつくりて以て王に詒るとあり、この方が古訓。

台は(初形はすき)を祓ふ儀禮。その祝詞を神に傳へることをいふ。

藤堂

と音符の會意兼形聲。台の上部はの古い字形である印(耜)であつて、道具で人工を加へることを表す。詒は、言葉に作爲を加へて騙すこと。

言葉を飾るといふ點では、や辭(辝)と近い。

台が音符となつてゐる言葉は、治水のや、飴(人工を加へた食品)のやうに、人工を加へて姿を變へるといふ意味を含むものが多い。

漢字多功能字庫

金文はに從ひ聲。讀みて辝となす。辝は辭と同字で、辭去を表す。中山王鼎詒死辠(罪)之又(有)若(赦)は、死罪の赦免の辭去を表す(參: 商周青銅器銘文選)。

屬性

U+8A52
JIS: 1-75-40
𧦫
U+279AB