寽 - 漢字私註
説文解字
五指持也。从𠬪一聲。讀若律。
- 四・𠬪部
説文解字注
五𢫾寽也。各本寽作持。《宋本》、《李燾本》、『類篇』、『集韵〔入聲〕六術』皆作捋。捋又寽之誤。今依『集韵〔入聲〕十三末』作寽。按寽與捋各字。捋、毛曰取也。許曰取易也。寽、許曰五𢫾寽也。凡今俗用五𢫾持物引取之曰寽。『廣韵』曰、今寽禾是、是也。『〔詩・周南〕芣苡』薄言捋之。說者謂取其子。假令謂取其子。則當作寽。从𠬪。五𢫾寽而落之。故从𠬪。一聲。聲疑衍。一謂所寽也。吕戌切。十五部。
康煕字典
- 部・劃數
- 寸部・四劃
『廣韻』呂卹切『集韻』劣戌切、𠀤音律。『說文』五指捋也。从爪从又从一。一者、物也。『正字通』一手持物、一手取之也。餘詳捋字註。
集韻
- 四聲・韻・小韻
- 入聲・術第六・律
- 反切
- 劣戌切
『說文』五指捋也。
- 四聲・韻・小韻
- 入聲・末第十三・捋
- 反切
- 盧活切
五指寽也。
音訓
- 音
- (1-1) リツ(漢) 〈『廣韻・入聲・術・律』吕䘏切〉[lǚ,lǜ]
- (1-2) ラツ(漢) 〈『集韻・入聲・末・捋』盧活切〉[luō]{lyut3}
- (2) レツ [lüè]
- 訓
- (1) とる。つまむ。
官話發音をlǚとする資料とlǜとする資料がある。
音(2)は鋝に同じく、重量の單位に用ゐる。
解字
白川
『説文解字』に五指もて持つなり。𠬪に從ひ一聲。讀みて律の若くす。
といふが、爪と寸とに從ひ、爪先や指で摘まみ取ることをいふ。《段注》に一聲は疑ふべし
とする。
藤堂
爪(下向きの手)と寸(上向きの手)の會意。指先で物を引つ張つて取るさまを示す。
漢字多功能字庫
寽は捋の初文。金文は爪と又と圓點に從ひ、一方の手に物を持ち、他方の手でこれを摑み取る形に象る。本義は拿取。
『説文解字』五指持也、从𠬪一聲、讀若律。
圓點はあるいは下方の手の形と連なり、子と相似する。故に往々にして孚字と混同される。寽、孚いづれも拿取、奪取を表す。[冬戈]簋寽戎孚(俘)人百又十又四人
。
後に手を加へて捋字を成す。『詩・周南・芣苢』采采芣苢、薄言捋之
毛傳捋、取也。
中間の圓點はまた訛して一の形となり、故にまた爰字と混同され、重量の單位に用ゐる。後に金を加へて鋝字を成す。
屬性
- 寽
- U+5BFD
- JIS: 2-8-11
- JIS X 0212: 26-72