藝 - 漢字私註
康煕字典
- 部・劃數
- 艸部・十五劃
- 古文
- 秇
『唐韻』魚祭切『韻會』倪祭切、𠀤音蓺。才能也。『禮・禮運』月以爲量、故功有藝也。《註》藝猶才也。
又『周禮・天官・宮正』會其什伍、而敎之道藝。《註》藝謂禮樂射御書數。
又『書・舜典』歸、格于藝祖。《傳》告至文祖之廟。藝、文也。
又『王延壽・魯靈光殿賦』觀藝於魯。《註》六經也。
又『左傳・文六年』陳之藝極。《註》藝、準也。『司馬相如・上林賦』藝殪仆。《註》所射準的爲藝。
又『家語』合諸侯而藝貢事禮也。《註》藝、分別貢獻之事也。
又『晉語』貪欲無藝。《註》藝、極也。
又姓。『通志・氏族略』有藝氏。
又與蓺通。『韻會』種也。『書・禹貢』蒙羽其藝。《傳》兩山巳可種藝。『孟子』樹藝五穀。
又『韻補』五結切、叶音臬。『丘遲・思賢賦』備百行之高致、談九流之洪藝。諒可雜而非染、跡每同而常別。
- 部・劃數
- 禾部・三劃
『集韻』藝古作秇。註詳艸部十五畫。
異體字
簡体字。
音訓
- 反切
- 『廣韻・去聲・祭・藝』魚祭切
- 『集韻・去聲上・祭第十三・埶』倪祭切
- 『五音集韻・去聲卷第十・祭第十一・疑・四藝』魚祭切
- 官話
- yì
- 粤語
- ngai6
- 日本語音
- ゲイ(漢)
- 訓
- わざ
- うゑる
- まと
解字
白川
【補註】埶字條も參照のこと。
埶聲。正字は埶に作る。
『經典釋文』に、唐人は種蓺の字に蓺、六藝の字には藝を用ゐるといふが、二字とも『説文解字』に見えず、『説文解字』の𡎐(埶)も金文に𬂴に作る字であらう。
藤堂
會意。原字は埶で、木と土と丮(人が兩手を差し伸べたさま)に從ふ。人が植物を土に植ゑ育てることを示し、不要な部分や枝葉を刈り捨ててよい形に育てること。のち蓺と書く。
藝は本來「ウン」と讀み、田畑を耕して草を取ることだが、形が似てゐるため、蓺と混同された。
【補註】藤堂は藝は元々芸(音ウン)の異體字であつたとする。
刈と同系の言葉。
落合
甲骨文は、坐つた人(丮)が草(屮)や木や竹を植ゑる樣子を表す會意字(補註: 隸定形は𬂤など)。原義は園藝。後には學藝や藝術の意味にも轉用された。用義は埶字條參照。
西周代には木の下に土を加へ(補註: 𬂴の形)、植物を植ゑる樣子であることを分かり易く表現してゐる。秦代には木が圥となり(篆文)、更に丮が丸に變はつて埶の形となつた。
また、西周代には丮を犬あるいは豕に替へた異體(補註: 𤞷の形)があり、西周代〜東周代には丮の下部を女にした俗字があり、東周代には丮を略體にした字形や完全に省いた字形がある。
隸書では除草する意を持つ芸(艸が意符、云が聲符)を分割して上下に加へた藝が作られた。蓺は云を省いた異體。
漢字多功能字庫
初文は埶に作り、人が兩手を前に伸ばして草木を植ゑる形に象る。後に埶の上に艸を加へ、丮の下の止(あるいは女)が更に訛して云の形となつた。東漢〈漢溧陽長潘乾校官碑〉の埶の作例を見よ。遂に進展變化して藝となつた。後世では多く藝を用ゐて、埶、蓺は用ゐず。
藝の本義は種植(植物を植ゑる、栽培する)。
- 『逸周書・糴匡』
供餘子務藝、宮室城廓修為備、供有嘉菜、於是日滿。
孔晁注藝、樹也。
- 『孟子・滕文公上』
后稷教民稼穡、樹藝五穀。五穀熟而民人育。
趙岐注藝、殖也。
技能、才藝を表す。
- 《清華壹・金縢》簡4
不若但(旦)也、是年(佞)若丂(巧)能、多[才心](才)多埶(藝)、能事[鬼示](鬼)神。
今本『尚書・金縢』予仁若考能、多材多藝、能事鬼神。
- 『淮南子・詮言』
不得其道、伎藝雖多、未有益也。
また特に古代において學生に教育された六科目、禮、樂、射、御、書、數を包括して指す。
- 『論語・述而』
志於道、據於德、依於仁、遊於藝。
何晏集解藝、六藝也。
- 『周禮・地官・大司徒』
三曰六藝、禮、樂、射、御、書、數。
また準則を表す。
- 『左傳・昭公二十年』
布常無藝、徵斂無度。宮室日更、淫樂不違。
杜預注藝、法制也。
また極限を表す。
- 『國語・晉語』
及桓子驕泰奢侈、貪慾無藝。
韋昭注藝、極也。
屬性
- 藝
- U+85DD
- JIS: 1-73-26
- 人名用漢字
- 秇
- U+79C7
- JIS: 2-82-80
- JIS X 0212: 48-86
- 艺
- U+827A
- 芸
- 別字衝突
- U+82B8
- JIS: 1-23-61
- 當用漢字・常用漢字
關聯字
- 芸
- 別字。芸を藝の新字体に用ゐる。